死者・行方不明者563人「白川大水害」72年の慰霊祭 恐怖と教訓語る
死者・行方不明者が563人にのぼった6・26白川大水害から72年です。26日朝、熊本市で慰霊祭が行われ、参加した被災者が当時の恐怖と教訓を語りました。
■永島由菜キャスター
「この白川が氾濫し多くの方が亡くなった白川大水害から72年、犠牲者を追悼するため地域の方々が集まっています」
慰霊祭には白川大水害の被災者や遺族、地域の住民ら約30人が出席しました。1953年6月26日、記録的豪雨が熊本地方を襲い熊本市を流れる白川が氾濫。死者・行方不明者は563人にのぼりました。
■小3で被災・河嵜哥由子さん(80)
「『怖かった』っていう一言ですよね。まだ小さかったから、そのいろんなことを思うってことよりも、怖いっていうのがやっぱ頭の中にあります。それだけでした」
当時小学3年生だった田尻康博さん(81)は氾濫した川に流されましたが、一命を取り留めました。
■田尻康博さん
「『助けて!』今でも目を閉じるとあの時の怖かった思いと氾濫した川の流れはありありと思い浮かびます」
課題となっているのは「被災者の高齢化」。大水害からの教訓を次の世代に受け継ごうと、田尻さんは小学校などで講演活動を続けています。
■田尻康博さん
「『白川は氾濫しない』とかそういうふうには思ってもらいたくない。やっぱり自然の力は計り知れません。また氾濫するかもわからない。それを肝に銘じて私も語り継いでいきたい」
【スタジオ】
(永島由菜キャスター)
72年という期間は長いように感じるけれど、今回お話を伺った方々は「72年経ってもこの時期になると当時の恐怖を思い出してドキドキする」と話していました。
(緒方太郎キャスター)
被災した方の高齢化で慰霊祭に参加される方は少なくなっているのでしょうか。
(永島由菜キャスター)
慰霊祭を開催した自治会長は「もしかすると10年後は参加する方がいないかもしれない」とおっしゃっていた。被災者だけではなく、今熊本に住む私たちが大水害の事実や思いを語り継ぐ必要があります。