「先生の仕事軽く」九州初の取り組み"教員業務支援員"とは
「学校の先生って大変?」。
まずは、街のみなさんの声です。
【VTR】
「学校の先生」というお仕事。街のみなさんの印象は?
■小学6年生
「私も小学校の先生になりたいと思っているんですけど。なんか昼休みとかも常に仕事頑張ったりしていてすごいなと思います」
■父親(40代)
「きっとめちゃくちゃ忙しいんでしょうけど。そんな中できっと笑顔で接してることによってこうやって子供から憧れられるところはすごいなと常々思います」
■70代
「特にペアレントクレーマーの対応というのは非常に難しいんじゃないかなと思うんですよね」
■50代
「生きがいとかやりがいとか使命感みたいなことがあればまたそういったものが楽しさ喜びとかが伝わっていればいいなと思う」
実際に、鹿児島県で小学校の教員をしているというこちらの女性は…。
■鹿児島県で教諭
「忙しいなとは思います。授業の準備とか普通の日常通常業務だったり新しく覚えることも多いのでそこは大変だなと思います。もっと人を増やしてほしいなと思います一人一人が忙しすぎるので」
子どもたちを導く大切な職業。負担を軽くするために必要な取り組みとは?
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
熊本県では、学校の先生の過重労働を解消しようと、九州地方では初めての取り組みをしています。
教員の業務をサポートする「支援員」を、すべての全ての公立学校への配置するというものです。そのお仕事を覗いてきました。
【VTR】
菊陽町にある菊陽中学校。こちらで半年前から教員業務支援員として働く中川陽子さんです。
■中川陽子さん
「6月の給食の献立表です」
栄養教諭から依頼を受けていたのは、給食の献立表の印刷です。とても手際が良い印象ですが、全校生徒632人分をクラスごとに分けるだけで30分以上はかかります。この印刷作業も、元々は「学校の先生」の仕事でした。
■中川陽子さん
「先生方がお忙しくて、授業から戻ってきたらまた次の授業に向けて準備をして、教室に向かうという形ですのでとにかく時間がないなという印象ではあります」
教員業務支援員の仕事は、主に事務作業です。大切な公文書をまとめたり入学式や卒業式の準備や受付を担ったりと、教職員の負担を減らすためのさまざまな依頼が舞い込みます。支援員の存在を、教員はどう感じているのでしょうか。
■菊陽中の教員
「子どもたちとの時間を取れる、少しの変化も見逃さずに対応できるので、来て下さってマジ助かっています!」
子どもとの時間が増えることで「教育の質」が上がる学校現場。支援員の存在が良い循環を生んでいました。
■菊陽中学校 上田恭裕教頭
「学校現場にいて先生たちの晴れ晴れとした声が聞けるのは子どもたちにとって大事だと思っています。教員業務支援員の方々が入っていただいたことで間違いなく子どもたちに還元できていると感じます」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
現在は対象の8割の学校に支援員がいて、今後採用でき次第すべての学校に設置予定。実際に時間外勤務の削減にもつながっています。
熊本県学校人事課が昨年度、市町村立の学校を対象に、長時間勤務の職員の割合を調べたところ、時間外の勤務が
月に45時間を超える教職員は市町村立で全体の28%。一昨年度の30%より2ポイント減少。過労死ラインといわれる月80時間を超えた職員が市町村立で3.3%と、2023年度より0.2ポイント減少。
少しずつ効果が出ている一方で、そもそも学校の先生のなり手不足という課題もあります。子どもたちを導く「やりがい」、学校の先生の楽しさをどう伝えていくかも今後のテーマといえそうです。