「孤立」地区へ同行取材 記録的大雨1週間も再建へ復旧作業続く

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熊本 2025.08.18 19:06

線状降水帯が次々に発生し、県内に大雨特別警報が発表された記録的な大雨から1週間がたちました。
被災地では生活再建に向けた復旧作業が続いています。

■緒方大樹記者
「熊本市北区打越町ではこのあたりの高さまで浸水したということです」

記録的大雨から1週間が過ぎた18日。熊本市北区の木材を扱う工場では片付けが続いていました。県内ではこれまでに4100棟あまりの住宅で浸水被害が確認されています。(浸水被害の棟数は発表後に県が修正)
工場近くの住宅では床上40センチ近くまで浸水し生活の再建には時間がかかりそうだといいます。

■住民
「電化製品がどうなるか分からないので普通の生活ではない」

熊本県によりますと今回の記録的大雨で県内では4人が亡くなり、1人の安否が今もわかっていません。



山間部では、土砂崩れなどによる集落の孤立も。16日、美里町では孤立した甲佐平の中岳地区に県警が向かいました。(現在は孤立解消)土砂で道がふさがり、車で通行できないため歩いて集落を目指します。

■緒方大樹記者
「車を降りてから約1.5キロ歩いてきました。この地区には9世帯17人が暮らしているということです」



Q災害当時はどんな状況でした?
■美里町・中岳地区の住民
「うちの場合は裏から山水がどんどん流れてきた)

被害状況の確認と災害に乗じた詐欺や窃盗に注意するよう住民に呼びかけました。

■中岳地区・藤本憲一区長
「(集落の)状態を警察に分かってもらえるというのはありがたい。何か通報をしたときはすぐに対応をしてくれるんだと思える」




各地で復旧作業が続いていますが元の暮らしに戻るには時間がかかりそうだと感じます。これまでに県がまとめた記録的大雨による県内の被害です。

甲佐町や八代市、熊本市で計4人が亡くなりました。このうち甲佐町で出勤途中に行方が分からなくなり安否不明となっていた60代の女性は、14日に熊本市の緑川で遺体で見つかった女性だと分かりました。

また熊本市の井芹川周辺で行方が分からなくなった男性1人が安否不明です。
18日午後3時時点で住宅被害は、全壊や一部損壊など計34棟。床下、床上を合わせた建物への浸水被害は4105棟にのぼっています。(床上 1940棟、床下 2165棟)

八代市や上天草市などでは89人が今も避難を続けています。