「住宅街が陥没」熊本市の川では男性の遺体発見 記録的大雨の被害各地で明らかに
県内で2人が亡くなり2人の安否がわからない今回の記録的な大雨は、日が経つごとに被害の様子が明らかになってきています。更に12日、熊本市の川で男性が遺体で見つかりました。
12日、美里町の上空から撮影した映像。国道沿いの山が崩れ住宅街が大きく陥没し、約200メートル下の田んぼまで流れた土砂が広がっています。
霊台橋近くの住宅でも…
■花木瞳記者
「男性1人が巻き込まれ救出された美里町の土砂崩れ現場です。近所の方によりますと、重機が通れる道が塞がれたため手作業で救出活動が行われたということです」
11日までに八代市と甲佐町で2人の死亡が確認された今回の大雨。12日午前10時すぎには、熊本市南区城南町の浜戸川で男性1人が遺体で発見されました。警察は、安否がわからなくなっていた熊本市の長田修さん(74)とみて、身元の特定を進めています。
熊本市北区の井芹川でも、安否不明となっている男性の捜索が続いています。男性が乗っていたとみられる車が12日、川から引き上げられましたが、男性は見つかっていません。
被害はどこまで広がるのか。九州自動車道では、宇城氷川スマートインター近くでのり面が崩れて高速道路上に土砂が流れ込み通行止めが続いていましたが下り線は13日19時に。上り線は14日6日に解除予定です。
雨が上がった各地では復旧作業が続いています。その活動を妨げるように、今度は被災地を厳しい暑さがおそっています。
13日、人吉市で気温が35.0℃の猛暑日となった県内。上天草市でも厳しい暑さの中、浸水した住宅の片づけが行われていました。
■住民
「大変ですね(暑さが)地獄です」
上天草市松島町では33.4℃を観測。
■住民
「エアコンの室外機が水に浸かっている。73年生きているけど初めて。二度と(経験)したくない」
12日に私たちが訪ねたのは、美里町の安部地区です。12日午後6時の時点で約20戸で停電が続いていました。
■住民
「うちはオール電化なので電気がないと何もできません」
エアコンが使用できず、テレビなどから情報を得ることもできません。美里町をはじめ、県内の停電は13日午後4時40分までにすべて復旧したということです。
一方、八代市では10日、雨にも関わらず、火災が発生。倉庫が浸水し、保管していた農業肥料用の石灰が水と反応して高温になり、火が出たとみられています。
■消火活動に参加した人
「だんだん煙が立ち込めてきてバンとはじける音がした。避難するも何も腰くらいまで水があってとてもじゃなくて(避難できなかった)」
思わぬ形でも広がった被害。今回の大雨について木村敬知事は、孤立集落の解消に全力で取り組むと述べ、災害救助法の適用が決まった10市町を対象に説明会を始めています。