「ありがたい」ガソリン暫定税率廃止決定で段階的値下げ開始 今後の見通しは

この記事をシェア

  • LINE
熊本 2025.11.13 19:45

ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止決定を受け、政府は13日から価格を抑えるための補助金を1リットルあたり5円引き上げました。車社会の熊本で家計の大きな割合を占めるガソリン。今後の価格の見通しは?

■永島由菜キャスター
「熊本市東区のガソリンスタンドです。現在のレギュラーガソリン価格は1リットルあたり163円。10月と比べて5円値下げされています」

■月に3~4万円分給油する男性
「燃料はどうしても必要だけんですね。助かります」
■月に約2万円分給油する女性
「わたしずいぶん走るから毎月2万円近く入れるからとてもいいですよありがたいです。おいしいもの食べられる」



ガソリンを購入する際は本体価格などに加えて1リットルあたり28.7円のガソリン税、そして25.1円の暫定税率が加算されています。1974年に導入された暫定税率ですが、ことし12月31日に廃止することで与野党6党が正式に合意。

これを受けて政府は暫定税率の廃止までの移行措置として、元売り各社への補助金を段階的に増やします。これまでは10円でしたが、13日から15円、2週間後の27日から20円、そして12月11日には25.1円となり、暫定税率廃止後と同じ水準になります。


経済産業省によりますと11月10日時点の県内のレギュラーガソリン平均価格は1リットルあたり173.6円で、暫定税率がなくなると原油の価格が現在と同じ場合、単純計算で158.5円まで下がることになります。



熊本市のガソリンスタンドでは補助金引き上げまでの買い控えを防ぐため、先行して11月5日から3円値下げし、13日からさらに2円価格を引き下げて対応しています。

■肥後石油 月出給油所・源嶋広治所長
「お客様によっては25円すぐに下がると思っているお客さんもいるので、そのような方には丁寧に説明をしている。5円ずつちょっとずつ下げるのはお店としてはすごく助かっている。駆け込み需要とかがないので。このまま25円段階的に下げていただけると混乱もないかと思います」


【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
ガソリン代が下がると家計も助かりますが、暫定税率の廃止で家庭ではどれくらい負担が減るのでしょうか。



(永島由菜キャスター)
熊本市に限った試算が出ています。第一生命経済研究所のシニアエグゼクティブエコノミスト新家義貴さんは、熊本市では、2人以上の世帯で年間8661円程度負担が減ると見込んでいます。この試算は車を持っていない世帯も含まれるため、車を持っている世帯に限定するとその恩恵はさらに大きくなるということです。



(緒方太郎キャスター)
さらに、なかなか進まなかった物価高対策も輪郭が見えてきています。政府は11月下旬にとりまとめる新たな経済対策に「おこめ券」や「食品クーポン券」の配布などを盛り込み、こうした支援を地方自治体が行うよう、交付金を増やす方針です。

さらに、冬の寒さ対策として来年1月から3月まで、電気・ガス料金の補助を再開する方針です。平均的な家庭で月平均1000円程度を補助することを検討しています。こうした対策が家計を助け、消費を押し上げるのか。今後の行方に注目です。