「脳の神経回路に強い刺激」1日12時間使う人も…"スマホ依存"を考える

この記事をシェア

  • LINE
熊本 2025.11.06 20:14

日本テレビ系でカラダについて考える「カラダWEEK」。取材した前田清鈴記者です。

(前田清鈴記者)
「スマホ依存」についてです。私も1日4時間ぐらい見てしまうんですが、実は若者を中心に広がる「スマホ依存」。体や心への影響が懸念されているんです。

【VTR】

■10代
「休日とか10時間以上使っちゃいます」
■10代
「部活ない日とかだとゴロゴロして映画とか見るので12時間とか使う時もありますね」
■10代
「12時間使っています」

小中学生の子どもを持つ親は…。

■街の人
「連絡はすぐ取れたりとか、居場所がすぐわかる。私も便利なんですけど、やっぱり動画を見てる時間とか家の中で気になりますね」
「ずっと画面を見ていると、画面を見てる目が近くなったり、目が疲れるんじゃないかなっていう心配」



調査によるとインターネットを利用している割合は、小中高いずれも97%を超えています。また小学生の70%、中学生の95%ほどが自分専用のスマホを持っているという結果です。こうした実態を受けて、10月から愛知県豊明市で全国初の「スマホ使用制限などを設けた条例」が施行されました。18歳未満の子どもは、1日あたり2時間「以内」を目安にするよう、保護者や学校などが促すという内容が含まれています。

スマホを見過ぎると体や心にどんな影響があるのでしょうか。呼吸器科内科医でスマホ依存防止学会の認定アドバイザーを務める高野義久医師に聞きました。スマホは脳の「報酬系」と呼ばれる神経回路を強く刺激するといいます。



■高野義久医師
「前頭葉というところに強い刺激が来るので、脳があまり強い刺激が来るとそれを抑制しようと調節しようとするんです。本来こういう神経は幸せとか満足を得るものなんですけど満足が得にくくなるんですね。それで依存症という病気が起きます」

もちろん、体への影響も。

■高野義久医師
「視力の低下が起きやすい。スマホとかは結構近い位置で見ますので。あと体力的には運動する時間が短くなるので、走る力とか身体能力が落ちるということも言われていますね」

またイヤホンを長時間使うことで難聴のおそれもあるといいます。さらに過剰なSNSの使用は心への影響も。

■高野義久医師
「繰り返し情報を浴びていると自分がつまらない、周りの友人は華やかな生活をしていると思ってしまいがち」

スマホの見過ぎを防ぐにはどうしたらいいんでしょうか。小3の子どもにスマホを持たせているという親はこう話します。

■小3の母親
「スマホにしてもタブレットとか動画視聴にしてもトータル2時間っていう約束はしています。どうやってもっと見なくなるかなっていうのはいつも思っていますけど、仕方ないのかなっていうところもあります」



高野医師はスマホを適切に使う方法があるといいます。

■高野義久医師
「スマホを置く場所ですね。置く場所を自分の位置から離すということが大事で、人間というのは見たものを触りたくなったり、真似したくなるという性質があるんですね。ですからポケットに入れているスマホはカバンに入れるとか、机の上に置いているスマホを別の部屋に置くとか、そうするだけでスマホを使う時間は短くなります」

他にもアプリの通知をオフにすることや目覚まし代わりに使わないなどの方法をおすすめすると話します。そしてスマホの強い刺激を受けた脳を休ませる方法について。

■高野義久医師
「外で遊んだり運動したりっていうのが1番いい方法だと思います。要するにスマホやゲームから完全に離れちゃうっ てことですね。スマホにもやっぱり非常に便利な面とか、良い面もありますよね。その良い面がある一方、とても 怖い面もあって、依存性があったり、身体的な問題が生じたりということがあるので、やはりそういうものだと思って使わないといけないと思います」

【スタジオ】
(前田清鈴記者)
高野医師はスマホを見過ぎないような習慣づけとして、スマホの画面を白黒にする方法をおすすめしています。カラフルな画面だと触りたくなる衝動を引き立てるのだそうですよ。iPhoneだと「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」を選択し「カラーフィルタ」をオンにすると、白黒画面の設定ができます。