山中の土のうから黒い水「法令違反なかった」県が検査結果発表
芦北町の山中で大量の土のうが野ざらしのまま積み上げられ、黒い水が流れ出ていた問題の続報です。熊本県は13日、「環境省と協議した結果、法令違反はなかった」と発表しました。
■村岡俊彦 循環社会推進課長
「廃棄物処理法上の違法というのは認められなかった。」
この問題は、水俣市の廃棄物処理業・吉永商会が芦北町の山中に大量の土のう袋を野ざらしのまま置いていて、一部から黒い水が流れ出ていたものです。これまで県は黒い水が環境汚染などにつながる可能性があるとみて、吉永商会に行政指導を行ったものの、土のう袋の中身は処理済みの汚泥で、野外に置いていたことは「法令違反にはあたらない」と説明していました。
一方で、水俣市の市民団体は土のう袋の中身が汚泥であると主張し、10月、廃棄物処理法違反の疑いがあるとして県警に告発状を提出しました。県は13日の会見で、環境省にも見解を求めた結果、土のうの中身の成分が「堆肥」としての基準を満たしていたことなども踏まえ「法令違反がなかった」と発表しました。また、土のうが置かれていた敷地に隣接する民家の井戸水や近隣の川の水質を検査したところ、異常はなかったということです。
■村岡俊彦 循環社会推進課長
「明らかに性状が違って、水分が抜けた堆肥であるという 確認できていたとか、製品として検査をしていたとか、トータルで環境省と相談して、廃棄物に該当しないと確認した」
一方で県は土のう袋の保管方法については吉永商会に適切な対応をするよう求めています。県によりますと、吉永商会は年内に土のう袋を屋根付きの保管場所に移すなどの改善策を示していて、県は製品管理などを継続的に確認するとしています。