前知事に独占取材 ハーバード大卒・蒲島郁夫さんが語る若い人たちへのメッセージ

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熊本 2025.06.30 19:49

(東島大記者)
「トランプ政権とハーバード大学」の話です。緒方さんはハーバードというと何を連想しますか?熊本の人の場合、ハーバード大学というと前の知事の蒲島さんを思い出す方が多いと思うんですね。

蒲島さんと言えば、高校卒業後、農協職員になり農業研修生としてアメリカへ。勉強に目覚めてハーバード大学大学院へ。帰国後は筑波大教授、そして東大教授。

(緒方太郎キャスター)
そして熊本県知事になったという異色のキャリアですよね。

(東島大記者)
クマモトンドリームの体現者として県民には今も人気が高い。そのハーバードにトランプ政策の波紋が及んでいます。蒲島さんがこの事態に心を痛めていると耳にして、熊本県民、特に若い人たちに伝えたいというメッセージを聞いてきました。



【VTR】
■蒲島郁夫さん(前熊本県知事)
「よろしくお願いします。お会いできて光栄です」

■東島大記者
「知事を引退して1年あまりですが?」

■蒲島郁夫さん
「ちょっとやせたんですよ。知事時代は車で送り迎えが多かったのが、今は自分で駅に行ったり飛行場に行ったりして歩く機会が多いものですから10キロぐらいやせたんですよ」


■東島大記者
「2009年、アメリカ大統領にバラク・オバマ氏が就任した際、熊本からひときわ大きなエールを送ったのが蒲島さんでした」

■蒲島郁夫知事(当時)
「オバマ新大統領はとても親しみがある。私が卒業したハーバード大学院で勉強した人。頑張ってほしいという先輩からのエールを贈りたい」

■緒方太郎キャスター
「蒲島さんが誇りにするそのハーバード大学がいま、揺れていますね」

■東島大記者
「『反ユダヤ主義』や『多様性の推進』などを理由にトランプ政権が、補助金や留学生の受け入れ認可を停止。日本からの留学生にも影響を与えています。



■緒方太郎キャスター
「熊本大学は、ハーバード大学で学ぶ留学生から希望があった場合、研究生などとして受け入れるとともに、宿舎など生活の支援も行うことを決めました」

■東島大記者
「蒲島さんはハーバード大学の良さについて、人種や国籍に縛られず世界を良くしていこうという考えにあると話します」

■蒲島郁夫さん
「様々な違いを持ったバックグラウンドがある人たちを積極的に入学させて育てるそういう多元性と言いますか、むしろ違いがあるから、違いがあるこそ大事」

■東島大記者
「でもトランプ大統領は、そういう多様性を推進するのはけしからんという理由でハーバードと対立していますね?」

■蒲島郁夫さん
「だから考え方がちょっと違うなと。ハーバードはきちんとそれに反発している。ハーバードだけじゃないですか、あれほどトランプさんに対して強力に反対しているのは。トランプ大統領と戦ってるハーバードを見て、私もわずかながら寄付しなきゃいけないなと思っていたところにインタビューがあったので、みんなの前でそれを言ったので、必ずやります」

■東島大記者
「一方でトランプ政権には、格差社会で教育を受けられず夢が持てない層へのアピールに、エリート大学批判を利用しているという指摘もあります。蒲島さんは色紙にも夢という言葉を書かれることが多いと思いますが、夢を抱く手前で立ち止まっている、子どもたちにかけてあげる言葉ってありますか?」

■蒲島郁夫さん
「夢を持つためには読書すべきだと思っています私は勉強もしなかったけど、読書だけは、図書館の本をほとんど読んだぐらいだから。(だからもう夢なんか持ってもしょうがないよと大人たちが思ってなんの手段も行使しないでみんな落胆して人生を送るよりも)夢がいつもあってね、夢も複数あるとね、それが人々を新たなチャレンジに連れていってくれるのかなと思います。そういう政治も、私が政治家になって少しはできたなと思ってます」

【スタジオ】
(東島大記者)
「夢を持つことの大切さ」と繰り返し話していましたが、蒲島さん自身、牧場主になりたいとか学者になりたいとか、政治家になりたいとか、その時その時の夢を持ち続けてきたんです。ちなみに78歳のいまも夢があって、本を出版すること。そのためにこつこつと執筆を続けていると話してくれました。