記録的大雨で新幹線が"避難" 長野での被害教訓にレール上に整列し車両守る

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熊本 2025.08.18 20:31

県内に大雨特別警報が出された11日に撮影された写真。九州新幹線の高架にたくさんの車両が停車しているのが分かります。実はこの光景、6年前に長野県で起こった災害を教訓にとられた新幹線の車両を守る対策でした。



熊本県内に大雨特別警報が出され、熊本市内でも猛烈な雨が降った11日、九州新幹線の沿線に住む視聴者が撮影した映像です。

■撮影した女性
「窓を開けたら(停車中の)新幹線が見える状態。ニュースで車両基地が浸水しそうということだったので気をつけて見ていたら、次々に新幹線が(高架に)上ってきて停まっていった」



高架上に停まる新幹線の車両は他の場所でも撮影されていました。実はこれ、雨から新幹線を守る対策なんです。



きっかけは2019年。台風19号の影響で甚大な被害を受けた長野県では新幹線の車両基地が水没。車両10編成が冠水し、その後すべて廃車となりました。JR東日本によりますと被害額は車両だけで118億円以上にのぼりました。この事態に当時JR九州の社長は。

■JR九州・青柳俊彦社長(当時)
「車両基地が一番安全な場所。なにかあったら車両基地に逃げ込むというのが今までの常識だったので…」

熊本市の総合車両所の浸水リスクが高まった場合は「高架への待避」を検討したいと述べていました。

そして今回熊本で発生した記録的大雨。JR九州は未明から熊本市南区の車両基地にあった九州新幹線の車両13編成を線路上に動かしたのです。

■撮影した女性
「新幹線がとまると乗客の方も大変になるので素晴らしい対応だったと思う」

JR九州によりますと、今回の大雨による新幹線の車両や車両基地への被害はなかったということです。