SNS見て訪れる人も…難病の山本栞奈さん「2度目の初任給」新たな出会い
山本栞奈さん(27)、全身の筋力を次第に失う難病です。この春、熊本市の事業所で働き始めました。主な仕事は、SNSをつかった広報業務です。最近は、栞奈さんの投稿を見て訪れる人も増えてきました。
■山本栞奈さん
「人が見てくれたらいいなとか会社のためにとかそういう人のためにする仕事ってやっぱり好きなんだなと思う」
栞奈さんは、5歳から18歳までを児童養護施設で過ごしました。高校卒業後は自衛隊に入隊しますが、体に異変を感じ2年で除隊。その後難病が発覚しました。一時は入院生活になったものの一念発起し、大学に入学。ことし4月、社会人への一歩を踏み出しました。
一人暮らしの栞奈さんのそばには、いつも支えてくれる人がいます。この日、新しい仲間が増えました。下田夢乃さん(20)です。栞奈さんが大学生の頃、実習をサポートしてくれたのをきっかけに栞奈さんがスカウトしました。ヘルパーの資格も取得しています。
■下田夢乃さん
「(出会った)最初は本当に不安しかなかったんですけれど、家の訪問にも来てって誘われてすごく嬉しいです」
栞奈さんは、ヘルパーとは互いに自然体でいたいと考えています。
夏に向けて栞奈さんの職場では新商品を発売することになりました。「ご褒美ソフトあいす。」栞奈さんが名前を考えました。材料には、水俣で農薬を使わず育てた柑橘が使われています。飲み込む力が弱いため、普段は口から食事をとれない栞奈さんですが…
■山本栞奈さん
「濃厚だけど、優しい味だし、懐かしさを感じる」
アイスは大丈夫。大好物です。
■山本栞奈さん
「やっと、やっとこの日がやってきました。今日はアイスクリームの日。おれんじ村のこだわりが詰まった商品で最後の最後まで皆さんに食べていただきたくてがんばりました」
■アイスを食べた人
「これだったらたくさん食べられます」
「ほのかな甘みで上品な味」
栞奈さんにとってはお客さんの笑顔がご褒美。
■山本栞奈さん
「ソフトクリームを通じて地域の方との関係もできていけたらいいなと思います」
5月。栞奈さん、おれんじ村で初めての給料日です。
■山本栞奈さん
「休まず1か月頑張りました」
給料をもらうのは自衛隊に入隊していた20歳の時以来です。
■山本栞奈さん
「2回目の初任給というところでまた社会人になれる日がきたんだなと」
社会人になって外に出る機会も増え、出会いも広がっています。
■訪れた客
「栞奈ちゃんですか?テレビとYouTubeで見てます。うれしい、会えた。私も病気があって栞奈さんをいつも見ていて救われたから私もがんばろうと思って」
■山本栞奈さん
「私ももっとがんばろうと思うきっかけになるのでとてもうれしい」
互いに支え合って生きていく。栞奈さんの挑戦の先には、きっと、たくさんの出会いが待っています