「人のために」夫の人柄伝えたい 記録的大雨で亡くなった男性の妻が取材に応じる
熊本県内では、記録的な大雨で3人の方が命を落としました。このうち、甲佐町で土砂崩れに巻き込まれ亡くなった男性の家族が13日、取材に応じてくださいました。
(飯田嘉太アナ)
ご遺族は、報道陣の私たちを通して、伝えたいことがありました。
【VTR】
亡くなった増田佳明さんの妻・安理沙さんは、当時の状況を教えてくれました。1日の午前4時前に雨が急にひどくなり家族4人で避難を決意しました。午前3時56分に車2台を隣のガレージに停めて、その4分後に土砂崩れが起こったそうです。
妻の安理沙さんは「佳明さんは塗料缶などを気にしつつ私たちのことも気にかけてくれました」と話しています。
佳明さんは塗装会社の2代目でした。塗料缶などが流れて窓ガラスを割るなど近所に迷惑がかからないようにと仕事道具などを移動させていたようです。すぐに誰かのために仕事ができるようにという思いがあったのではないかと、安理沙さんは話していました。
(永島由菜キャスター)
仕事、そして人への思いが強い人だったんですね。
(緒方太郎キャスター)
安理沙さんは大変な状況でどうして取材に応じてくれたんでしょうか?
(飯田嘉太アナ)
佳明さんの「人のために」という人柄。そして、命を守るための教訓を伝えるためです。安理沙さんは、今日の日本の異常気象をいま一度警戒し、知ってほしいと話していました。避難する際に、あっという間に車の運転席まで水が入り込んできた経験から、同じように悲しむ人が現れないようにと涙ながらに語っていました。
そして安理沙さんは、3代目として会社を守ることを決めました。受け継いだ技術を残し、4歳と1歳の幼い子供たちに「お父さんはこんなすごい人だったんだよ」と伝えたいと仰っていました。