「親心踏みにじる犯行」タイから強制送還の男に有罪判決 

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熊本 2025.11.05 18:57

タイで身柄を拘束され日本に強制送還された男。県内に住む知人の母親から現金100万円をだまし取った罪に問われています。
この男の裁判で、熊本地裁は5日、有罪判決を言い渡しました。

■NNNバンコク・田中純平記者
「日本人の男を乗せた車が今空港に到着しました。これから日本に移送されます。」

タイ当局が身柄を拘束後、日本に強制送還される機内で逮捕された男は、その後、詐欺の罪で起訴されました。


5日、判決を受けたのは、住所不定・無職の田上希典被告(40)です。
判決によりますと、田上被告は、2023年6月、タイで同居していた知人男性が病死したことをきっかけに、県内に住む男性の母親に「息子さんがタイで交通事故にあい、入院費用が必要」などとうそをつき、現金100万円をだまし取った罪に問われています。

裁判で田上被告は起訴内容を認めていました。


5日の判決で熊本地裁の賀嶋敦裁判官は「子を思う親心を踏みにじる卑劣な犯行で、相応に高額。」と指摘。そのうえで「組織的な犯行ではなくだまし取った100万円の内、約70万円は警察が口座を凍結して被害者に返還され、引き出された約30万円は被害弁償済み」などとして、懲役2年 執行猶予4年の判決を言い渡しました。(求刑:懲役2年6か月)