200円から600円上乗せ タクシー時間指定予約で「配車料金」請求 その背景は?

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熊本 2024.04.23 18:45

県内の法人タクシー40社が、4月26日から時間を指定して予約を受けた場合に「配車料金」を客に請求することになりました。県内で初めてとなる取り組み。背景にはどんな課題があるのでしょうか?

■宮澤圭太アナ
「予定の時間に間に合いたい。そんな時、時間を指定してタクシーを予約することがありますよね。ただ26日から、一部のタクシー会社で料金が上乗せされることになります」

街の人は、どう受け止めているのでしょうか?
■男性
「飲みに行った時に、この時間にここに来て下さいというようなことはありますね。利用する立場からすると、ちょっと痛いかなあという気はしますね」
■女性
「初乗り料金にプラス?高いですよね」
Qタクシーを利用する頻度は?
「多分減ると思う」
■男性
「食事をして帰ろうかなと思っても、夜の11時、12時になるとタクシーがない。タクシーの運転手さんが増えてくれれば、どんどんタクシーが回ってくれれば、それでいいと思います」

時間を指定して予約を受けた場合に客に請求する「配車料金」。九州運輸局によりますと、熊本県内の法人タクシーの3割にあたる40社が26日から始める方針です。料金は200円から600円で、運賃に上乗せされます。

熊本市のタクシー会社、TakuRооの小山剛司社長は、「特に朝の時間帯に予約して駅などに向かう依頼が増えている。運転手が不足する中、配車料金を導入することで、待遇改善の原資にしたい」と話しています。


【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
同じタイミングで、県内のタクシーの初乗り運賃も630円から700円に改定されます。利用する人にとっては、負担が増すことになりそうですね。
時間を指定して予約する場合の「配車料金」を導入する背景は、運転手の待遇改善です。今、さまざまな業界で賃上げが議論されていますが、年間給与を比較すると、タクシーの運転手は全ての産業の平均と比べて低いことがわかります。

(畑中香保里キャスター)
まずは待遇改善をして運転手を確保していくために、一手を打ったわけですね。


(緒方キャスター)
早朝や深夜に時間指定予約で待ち時間があった場合も勤務に含まれていて、人繰りが難しくなっているそうです。
九州地方でこうしたまとまった動きが出るのは初めてです。交通政策が専門の名古屋大学大学院の加藤博和教授は、「サービスへの対価を設けるのはやむを得ないし、今後も地方で広がるだろう。待遇が改善することで、運転手の数も増えていくだろう」と分析しています。
取材を受けてくださったTakuRооの小山社長も、「心苦しいが、何とかご理解いただきたい」と話しています。