「どうして助けてくれなかった」残業時間100時間超が続き県教委職員が自殺 遺族に謝罪し1億円支払い

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熊本 2025.10.10 18:51

2023年に熊本県教育委員会の職員が長時間労働が原因で自殺した問題で、県は10日、遺族に謝罪し、解決金として約1億円を支払うことで合意しました。



遺族の代理人弁護士によりますと、天草教育事務所に勤務していた当時51歳の男性職員は、教職員の人事という機密性の高い仕事を担っていて、自殺する前の数か月間のほとんどで残業時間が100時間を超えていました。厚生労働省の基準では、1か月に100時間の残業、または2か月から6か月で平均80時間以上の残業などが過労死ラインとされています。



男性の自殺は長時間労働が原因の「公務災害」と認定され、遺族は県教育委員会に対し損害賠償を請求していました。そして10日、県が謝罪し、解決金として1億900万円を支払うことで合意しました。

■男性職員の妻(55)
「長時間時間労働を長い間していたことは、所長も県も把握していたと聞きました。じゃあ、どうして助けてくださらなかったのか。その思いだけです」
■男性職員の長女(23)
「父の死を無駄にしないでほしい」


越猪浩樹教育長は、「全ての職員が心身の健康を損ねるようなことがないように勤務時間管理、健康管理に万全の措置を講じてまいります」とコメントしています。