土砂崩れ100か所以上の町も…7市町に「大雨特別警報」各地で被害の爪痕

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熊本 2025.08.11 19:15

記録的な大雨となった熊本県内。7つの市と町に大雨特別警報が出され、玉名市と長洲町では15時間以上に及びました。行方不明者も出るなど各地で被害が相次ぎ、県内は緊迫した1日となりました。



線状降水帯が発生し、県内に降り続いた雨。熊本市の下通アーケードでは…。

■吉田 佳記者
「午前2時を回った下通アーケード。約100メートルにわたって冠水し川のようになっています」


熊本市中心部では、マンションでも1階に水が浸水したり駐車場の車が浸かったりしていました。10日夜からの雨雲レーダーを見ると県内はずっと真っ赤。広い範囲で長時間に及んだ大雨。玉名市や長洲町など7つの市と町に大雨特別警報が出されました。そして夜が明けると…

■緒方太郎キャスター
「午前10時緑川水系の御船川です。茶色く濁った水の勢いが増しているのがわかります。橋脚をみると多くの草木がへばりついています」



甲佐町では降り始めからの雨量が686ミリを記録し、平年の8月1か月の3倍以上の量がわずか6日間で降ったことになります。
また、土砂災害も相次ぎました。11日午前4時過ぎ、甲佐町豊内で車が土砂崩れに巻き込まれ、50代の男性1人が行方不明に。車には家族4人がいて、母親と子どもの3人が救助されましたが、車の外にいた男性が土砂に巻き込まれました。その後、男性とみられる人物が心肺停止で発見され、警察が身元の確認をしています。また熊本市南区元三町では、冠水した路上で60代男性が倒れているのが発見され、意識不明の状態で病院に搬送されたということです。



そして美里町豊富でも土砂崩れがあり、付近に住む男性1人が巻き込まれたということです。

■飯田嘉太アナ
「午後1時半過ぎの美里町です。水位は下がってきましたが地面はえぐり取られています。建物の壁が崩れてしまっています」

美里町によりますと、土砂崩れが100か所ほど報告されていて、8つの集落が孤立しているということです。降り続く雨で道路が浸水し、車が立ち往生する被害が相次ぎました。

■川又優アナ
「午前10時の熊本市北区です。茶色く濁った川のそばには、流されてきたんでしょうか。道路から前輪がはみ出し、車が大きく傾いています」

熊本市中央区段山本町では市電の線路や道路が大きく水に浸かり、車がはまってしまっていました。水が引いてからは、被害の大きさも明らかに。

■店の人
「うわーって感じですかね。床に置いてあるものは全部だめ」
Qこれだけ浸水したことは?
「なかったです、初めてです」



■平井友莉アナ
「玉東町です。国道沿いのこちらの店舗川の水が押し寄せガラスが割れてしまっていますそして中には泥水が入っていて商品が水に浸かって散乱しています」

■リサイクルショップ店主
「商品はやっぱり処分しなければいけないでしょうね」

県内では一時35の市町村に避難所が開設され、ピーク時には2000人近くが身を寄せました。



■避難した人
「何度も避難してますけど今回が一番ひどかったと思う。私の感覚では」
「きょうの朝の時点で家の前が浸水しているっていうのが分かっているので、自宅も浸水しているというのがわかっているので夕方からの雨の降り方がとても気になるところです」

午後3時45分頃、県内の大雨特別警報は大雨警報に切り替えられたものの、気象台は引き続き土砂災害に厳重に警戒するよう呼びかけています。