4年で被害50億円超 赤潮対策のプロジェクトチームが試験開始

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熊本 2025.05.29 19:15

天草市で赤潮の発生を防ぐための試験が始まりました。

■熊本県水産研究センター・宮本政秀次長
「これは今回放出するプランクトンを培養する池です」


天草市の楠浦湾で28日から始まったのは、赤潮の原因となる有害プランクトンの増殖を抑える試験です。
熊本県内では2021年から4年連続で赤潮が発生しています。被害総額は50億円を超え、養殖業者の経営に深刻な影響を及ぼす中、熊本県は県水産研究センターに赤潮対策のプロジェクトチームを設置し対策の研究をしています。


28日は楠浦湾に隣接するエビの養殖場で増殖させた植物性プランクトンの珪藻類を約4000トン放出しました。人工的に放出された珪藻類が海中のチッソやリンなどの栄養を消費し有害プランクトンの増加に必要な栄養を海中から減らすねらいです。


■熊本県水産研究センター・宮本政秀次長
「有害プランクトンがいない今の時期に海に放出して海の中で増やして栄養を消費させることで有害プランクトンを抑えて赤潮を発生させないというのが今回の取り組み。漁業養殖が安定するようスピード感を持って対応していきたい」

熊本県は8月中旬まで同様のプランクトンの放出を3回行い、結果をまとめる予定です。