【大雨】2人死亡・3人の安否不明…豪雨から一夜 各地で被害の爪痕
豪雨から一夜明け、被害の爪痕が見えてきました。熊本県内ではこれまでに2人が亡くなり、3人の安否がわからなくなっています。
熊本県などによりますと、県内ではこれまでに2人が亡くなりました。甲佐町の男性は、土砂崩れの現場で11日に発見され、12日に死亡が確認されました。
八代市千丁町の用水路で11日に撮影された映像です。濁った水の中に車の一部だけが見えています。
■緒方大樹記者
「車は現在は立てかけてありますが、発見時は用水路に横向きに倒れ、タイヤだけが見える状態だったということです」
沈んだ車から女性が見つかり、その後死亡が確認されました。また熊本市で2人、玉名市で1人が安否不明となっていて、警察や消防などが捜索を続けています。
このうち、熊本市南区城南町では男性1人が安否不明となっていて、男性が乗っていたとみられるバイクが見つかりました。男性の家族によりますと、現場付近の竹藪から男性が着ていたとみられるカッパやヘルメットが見つかったということです。
この現場周辺の被害は道路にも。
■NNN取材団・若原いぶき記者
「熊本市南区城南町の浜戸川沿いの道路です。川の勢いでアスファルトが押し上げられ、はがれたアスファルトが田んぼまで流れてしまっています」
上天草市松島町では11日、海の近くの草地が水没。一帯の集落では床上浸水が相次ぎました。
■小西涼司さん
「結果がこうだから諦めるしかない」
県内ではこれまでに床上浸水が109棟、床下浸水が155棟確認されています。
玉名市のラーメン店も浸水し、泥で汚れた食器や調味料が散らばっていました。
■NNN取材団・属ちひろ記者
「玉名市のラーメン店では、浸水で床が泥だらけになり店の人たちが片付けに追われています」
八代市興善寺町では、大雨で住宅街が冠水。雨の影響で裏山が崩れ、周辺の道路が土砂であふれました。住民たちは朝から土砂をかき出す作業やタイヤが土砂に埋まった車の移動に追われました。
■熊本県・木村敬知事
「ゴールがあんなに動いちゃったんですね」
12日、木村知事が視察したのは。11日まで大雨特別警報が出されていた玉名市や玉東町です。公民館では、地元の子どもたちが水に浸かった図書館の本を片付けていました。
■木村敬知事
(子どもたちに)「泥々になったけどみんなできれいにしようね。暑いからお水飲んだりいっぱいしてね。がんばってね」
「被害が非常に大きいとわかりました。地元の人たちが安心して住み続けられるよう、県として対応していきたいと思います」
雨の被害は、農作物にも…。八代市郡築十番町のトマト農家では、苗を植える準備をしていたビニールハウスが浸水。従業員が排水作業をしていました。
■トマト農家
「今まで一番ひどかった。自然相手だから大変です」
農機具にも一部被害が出たため、売り上げが半減することを心配しています。
荒尾市のナシ農家では…。
■ナシ生産者
「こんな感じです。作り始めてはじめてです。こういう裂果が出たのは」
果実が急激に水分を吸収することで実が割れる被害が出ていました。
ライフラインにも影響が出ています。
■花木瞳記者
「美里町の物産館です。町では一部の地域が断水しているということで朝から多くの住民が水を受け取りに来ています」
12日から始まった給水作業。町によりますと11日夕方頃から7地区の約580戸で断水していたということです。
Q必要なことは?
■町民
「やっぱり水ですね。水が出なくなったらトイレが使えない。流れないと子どもが言う」
「きのうは何にしろ停電で困っていた。きょうは水。ライフラインですね」
美里町は、町内3か所に給水車を設置し、ペットボトルの飲料水も配布しています。気象台はこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所があるとして、13日明け方にかけて、引き続き土砂災害への注意を呼びかけています。