【参院選】選挙の争点と各候補の訴えは?熊本選挙区に4人立候補
参議院選挙が3日に公示され、17日間の選挙戦が始まりました。1議席を争う熊本選挙区には現職と新人の計4人が立候補しました。
参院選熊本選挙区に立候補したのは、届け出順に、
■NHK党・新人で会社員の立花勝樹候補(57)
■自民党・現職で参議院 議院運営委員会筆頭理事の馬場成志候補(60)
■参政党・新人で税理士事務所職員の山口誠太郎候補(36)
■立憲民主党・新人で元県議会議員の鎌田聡候補(60)の4人です。
■NHK党・新人 立花勝樹候補
「単純に熊本県民、日本国民も2つの質問で、今の政治にイエスですかノーですかといったときに私はノーだと思う。まずみなさんノーでしょということを私は問いかけていく。私は弱者、弱者の方に向くようなことを訴えていきたいと考えている」
NHK党・新人の立花勝樹候補。3日朝、自ら立候補を届け出た後の記者会見で、子どもや障害者、その家族への支援対策や国際教育など幼児教育の拡充を訴えました。立花候補は主に政見放送を通して党や自身の考えの浸透を図るほか、県内全域をバイクで回ることを検討しているとしています。
■自民党・現職 馬場成志候補
「三たびこの参議院候補として選んでいただきましたことに心から感謝を申し上げます。その重責を担っていることを改めて心に刻み、勝たせていただいた上でこの熊本のためにしっかりと働かせていただきたい」
自民党・現職の馬場成志候補。熊本市東区の神社で行われた出発式には、県選出の国会議員や県議など約50人が集まりました。馬場候補はこれまでの実績のアピールとともに、コメ価格については生産者にとっても適正な価格にする必要があると訴えました。
■参政党・新人 山口誠太郎候補
「30年日本経済は成長せず、我々の賃金は一向に上がらない/私がこの日本を変えていく。できないことをできるようにすることが政治家の仕事であると私は強く思うようになって今このように活動をしております」
参政党・新人の山口誠太郎候補。熊本市中央区の護国神社で開かれた出陣式には党の県議や支援者約20人が集まりました。山口候補は日本人ファーストを掲げ、税理士事務所勤務の経験から税金や社会保険料の負担軽減を訴えたいとしています。
■立憲民主党・新人 鎌田聡候補
「選挙対策でお金を配る、そんなことではなくて、一人ひとりの暮らしをしっかりと守っていく。そういった政治を、そういった声をこの熊本県からも他の県と同じく国会に上げていきたい」
立憲民主党・新人の鎌田聡候補。熊本市中央区の選挙事務所で行われた出発式には、現職の国会議員や連合熊本の関係者など約150人が集まりました。鎌田候補は選挙戦で県選出の野党の国会議員がいないことの問題点や、物価高対策などについて訴えたいとしています。
投票は7月20日に行われ、即日開票されます。7月2日時点の県内の有権者数は142万9055人です。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
参院選取材キャップの藤木記者とお伝えします。
(藤木紫苑記者)
今回の参院選の争点には、物価高対策やコメの価格高騰への対応策などが上げられています。
物価高対策について、熊本選挙区の各候補の考えです。
▽NHK党の立花候補は
「特に食料品の消費税は廃止するべき」
▽自民党の馬場候補は、
「税収は必要即効性のある現金給付活用を」
▽参政党の山口候補は
「消費税の段階的な減税・廃止社会保障の負担軽減を」
▽立憲民主党・鎌田候補は
「食料品の消費税を1年間ゼロ%に」となっています。
今回の選挙が持つ意味を専門家に聞きました。
【VTR】
政治学が専門の熊本大学の伊藤洋典教授です。
■政治学が専門 熊本大学法学部・伊藤洋典教授
「(今回の選挙は)石破内閣に対する成績評価の意味合いが強い選挙になるかと思います。消費税を上げるか下げるか、あるいはガソリンの暫定税率を廃止するかどうかといったような、 結構国政の根幹に関わるようなことが初めて大きな争点になっている」
今回の選挙について、一言で書いていただきました。
■伊藤洋典教授
「間接的な政権選択になる可能性がある選挙だと思います。投票率が上がって(有権者の) 考えが反映されてくると、これまであまり変わらないのではないかと思っていた選挙も、結果によっては政策の変更を迫ることにもなるかと思います。今回はぜひ投票に行って意思表示をしていただきたい」
【スタジオ】
(藤木紫苑記者)
伊藤教授によりますと、これまで過去3回の参院選を振り返ると、県内では熊本地震や豪雨があり復興の過程に‟国とのパイプ”を重要視する見方多く、与党が有利な状況が続きました。
一方、今回は争点となっている物価高対策のほか、コメ不足や価格高騰により問題意識が強まった「農業所得の保証」といった農業政策に関する問題など、これからのわたしたち生活に大きく関わる政策を選択する選挙となります。伊藤教授は、結果が熊本県にとっても大きなインパクトを与える選挙になると話しています。
参院選熊本選挙区の過去の投票率はいずれも全国平均を下回っています。投票日は3連休の中日ですが、期日前投票も活用しながら、今回の”重要な選挙”にぜひみなさんの考えを反映させてください。