父の体験もとに紙芝居制作 熊本の被爆2世の男性(64)が上演
熊本市に住む被爆2世の男性が長崎で被爆した父親の体験を基にした紙芝居を初上演しました。
(紙芝居)
「港の埠頭にいた辰次は風速およそ60メートルという最大級の台風と同じ位に強い爆風により、海に向かって数十メートル吹き飛ばされた」
紙芝居を制作・発表したのは熊本被爆二世・三世の会の青木栄会長(64)です。青木さんの父・辰次さんは17歳のとき長崎市で被爆。爆風で吹き飛ばされ骨折したものの、間一髪で一命をとりとめました。
(紙芝居)
「多くの患者は髪の毛が抜け全身に出血したような赤紫色の斑点が現れ、高い熱が出て口から血を吐き出し血の混じった便をするなど苦痛を訴えるうめき声の中で死んでいった」
30年前に、初めて父親の被爆体験を聞いた青木さん。「被爆者は心に傷を負い体験を語らない人も多いが、生きて声を上げてくれたことで長崎以降、核兵器が使用されなかった」と語り、引き続き証言を基にした紙芝居を作りたいとしています。
青木さんは今後、紙芝居を小中学校での講演会で活用する予定です。