「車中泊避難」の課題は?熊本市や大学など3者が一夜を過ごし実証実験
熊本地震のあとの益城町での光景です。家から離れ、車で寝泊まりする車中泊の車であふれています。こうした災害時の車中泊においての「課題」を洗い出そうと一夜を通した実証実験が行われました。
熊本市と、防災関連のコンサルタント業を営むBosai Tech、崇城大学の3者が連携して行われた車中泊避難の実証実験。市の職員や防災士など約50人が参加しました。
■ペットと参加した人
「犬がいるから(災害時は)車で避難しないといけないと思って参加した。(寝るときに)血栓やエコノミークラス症候群にならないように完全に横になって寝る」
まずは参加者の受付です。スマートフォンでQRコードを読み取る方法とチェックシートに記入して提出する方法のいずれかでチェックインです。今回の実験のテーマがデジタルを使った運営。避難者はスマホを使ってスケジュールを共有するデジタル班と紙で共有するアナログ班にわかれ車中泊避難の運営に必要な作業や人手などを検証します。
(午後6時すぎ)
■デジタル班
「(メールが)来た。食事を取りに行きましょうということで、いってきます」
デジタル班にはスマホにメッセージが届きウェブ上で動画を確認。スムーズに集合できカレーなどの夕食をとります。
■参加者
「おいしい。もしも災害になった時こんな支援があったら元気が出る」
また保健師が定期的に避難者の健康をチェックするほか、体調不良者が発生した場合の対応も確認しました。そして夜間や早朝にはエコノミークラス症候群を予防するため、散歩や体操の時間も設けられました。
■Bosai Tech・大塚和典社長
「熊本地震の反省として、当時マニュアルもつくっていなかった。せっかく災害で救われた命を災害関連死でなくしたくないので、平時から皆さんに伝えることができればいいと思っている」
今回の実証実験を踏まえ3者は今年度中にマニュアルを作成する予定です。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
デジタルを活用することで運営側の人手や作業が減れば、助けが必要な方により充実したサポートを提供することにつながりそうですよね。
(永島由菜キャスター)
来年1月には熊本地震で被災した熊本競輪場の再建工事が完了する予定で、300台を収容できる駐車場では災害時に車中泊の避難場所として活用されます。