やっていますか?ふるさと納税 注目の返礼品「コメ」全国1位は熊本・甲佐町 一方で"赤字"の自治体も

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熊本 2025.05.21 19:33

ニュースのそもそもをひも解く「県民のギモン」です。今回は、ふるさと納税についてお伝えしますが、5月、独立行政法 経済産業研究所がある調査結果を公表しました。


2024年に、ふるさと納税で返礼品にコメが選ばれた528の自治体の中で、熊本の甲佐町が全国1位だったんです。特産品を全国にPRできるのが魅力のふるさと納税。そこで今回のテーマは「ふるさと納税、やっていますか?」です。

まずは、熊本市の繁華街で聞いてみました。
■50代男性(去年までやっていた)
「やっていました。目に見えてお金が戻ってくる感じがしなくて、お得感がどうなのかなと疑問に思っていたけど、続けていた」

(緒方太郎キャスター)
応援したい自治体を選び、決められた金額を寄付すると返礼品が届く「ふるさと納税」。2008年5月のスタートから17年を迎えました。

(永島由菜キャスター)
熊本県内ではどれぐらい広がっているのでしょうか?

■40代女性(やっていない)
「していない。まず始め方と申請、何もわからない」

■20代女性(やっていない)
「やっていないです。税金とか所得の何かが下がると聞いたけど、どんなふうに下がるのかが、いまいちわからない」

■70代女性(やっていない)
「初歩の初歩、インターネットを使えない。私たち高齢者はそんなに納税していないので、ふるさと納税は遠いところ」

(緒方太郎キャスター)
ほとんどが「ふるさと納税したことがない」という回答でした。

(永島由菜キャスター)
私も興味はあるのですが、したことはないです。やり方がわからないという方も多いですね。

(緒方太郎キャスター)
ふるさと納税の特徴は、応援したい自治体や好きな自治体に寄付すると返礼品をもらえるだけではなく、寄付した金額から2000円を差し引いた額が所得税と住民税から控除されるということです。

(永島由菜キャスター)
実質的に2000円で返礼品がもらえるのであれば、お得に感じますね。

(緒方太郎キャスター)
どのように手続きするのか説明します。
▼まずは、インターネット上で応援したい地域や魅力的な返礼品を選びます。寄付の手続きはネット上で完結できます。
▼その後、確定申告などで控除を申請します。寄付する自治体の数や収入の条件によっては、マイナンバーカードがあればアプリでも手軽に行えるワンストップ申請が利用できます。
▼注意してほしいのは、控除には上限額がありますので、前年の源泉徴収票を準備して事前にネット上で計算しておくと安心です。

(永島由菜キャスター)
そんなふるさと納税の返礼品で、いま「コメ」が注目されているんですよね?


(緒方太郎キャスター)
ふるさと納税のサイトを運営する「さとふる」がまとめた熊本県内の返礼品の人気ランキングです。「甲佐町のコメ」が、2023年には2位と6位に入っていたんですが、今年1月から4月の最新の結果では1位、3位、4位、6位にランクインしているんです。


(永島由菜キャスター)
コメの価格が高騰しているのも要因になっているんですかね?

(緒方太郎キャスター)
最近の返礼品選びの傾向について、さとふるの担当者に聞きました。

■さとふる広報 井田尚江さん
「社会情勢の変化がふるさと納税の寄付動向にも影響があると、ここ数年の変化で感じています。以前は少し高級なものとか、普段食べられないもの、手にできないものをふるさと納税を通じて楽しもうという人が多かったのですが、2024年は初めてティッシュやトイレットペーパーがトップ10にランクインしました。"訳あり"や大容量にも人気が高まっています」

(永島由菜キャスター)
コメとともに、物価高騰の影響を受ける生活用品も人気なんですね。

(緒方太郎キャスター)
能登半島地震の被災地や熊本城復旧への活用など災害支援に関するものや、自治体に使い道を任せる寄付もあります。

(永島由菜キャスター)
寄付を受ける自治体が、多くの人に寄付をしてもらおうと返礼品に力を入れていることで"返礼品競争"になっていると指摘する声もありますね。

(緒方太郎キャスター)
熊本県内では甲佐町や御船町への寄付が多く、人気となっている一方で、熊本市では2023年度、寄付額から経費や住民税の減収分などを差し引くと約20億9000万円の赤字だったということです。国が減収分の一部を補てんしても約1億2500万円の赤字でした。

これはどういうことかといいますと、通常、私たちが住む自治体に納めるはずの住民税が控除されて寄付先の自治体に納められることで起きる現象なんです。

(永島由菜キャスター)
人気の自治体とそうでない自治体とで明暗が分かれているんですね。

(緒方太郎キャスター)
ふるさとを応援する思いが自治体に還元できる制度、うまく活用したいですね。