【参院選】「1人区・熊本」で白熱の選挙戦 駅前で投票呼びかけも
去年の衆院選で与党が過半数割れする中、今回の選挙戦でも与党の議席数に注目が集まっています。そこで今回カギとなるのが定数が1人、つまり1人だけが当選する「1人区」です。1人区で議席を取ることで他の政党と獲得議席数に差を付けることができます。
熊本県も全国に32ある1人区の1つであることに加え、衆参共に保守地盤が強いことから与野党共に党幹部らが熊本入りするなど白熱した選挙戦が繰り広げられています。
NHK党・新人 立花勝樹候補
NHK党・新人の立花勝樹候補。県内全域をバイクで回りながら地域の課題を掘り起こす「対話型選挙」を展開しています。13日までに熊本市を除く県内すべての市町村を回ったということです。
■N党・立花勝樹候補
「スーパーで『テレビで見たよ』と声をかけていただいているので数は多くないけど対話型をとっていきましたので私としては満足している」
党からの応援には頼らず、独自の選挙戦をしています。
■N党・立花勝樹候補
「九州にはなかなか応援演説はないけど仕方ないことなので私個人ができることは精一杯やったと感じている」
自民党・現職 馬場成志候補
自民党・現職の馬場成志候補。推薦団体の数は200以上と、徹底した組織戦を展開。週末にかけては八代から球磨地域といった県の南部で支持を訴えました。また13日は菊池市に党総裁の石破茂首相が駆けつけ、会場には約2000人が集まりました。
■石破茂首相
「困っている人に手厚く、賃金まだ上がらないな、子供がいっぱいいるな、そういうところに手厚く素早く手厚い支援をしていく、それを組み合わせながら我々はこの国を確かな方向に導いてまいります」
演説の最中に聞かれたのは、‟厳しい戦い”という言葉。全国的な逆風の中、熊本地震からの復興など県独自の実績をアピールし、組織票固めに力を入れます。
■自民・馬場成志候補
「いまの私たちの戦い方はどんな戦い方でもできるという感じです。地元だけで戦うこともできるし党本部からの支援もいただける。一番いいかたちを作っていると思います」
参政党・新人 山口誠太郎候補
参政党・新人の山口誠太郎候補。日々、街頭演説やSNSでの発信を通じて支持の拡大を狙います。週末、熊本市で行った街頭演説では、下通アーケードに約60メートルの行列が。党の神谷宗幣代表が熊本入りし1000人を超える聴衆を前にマイクを握りました。
■参政・神谷宗幣代表
「富裕層を応援するのではなくて、中間層をしっかりと元気づけていって、経済的に豊かで安心した国を取り戻しましょう。外国人の力も一部借りないといけないから、外国人の方々にも日本が好きになってもらえるようにちゃんとルールを作りましょう そういう日本に我々はしたい」
街頭演説には子育て世代や高齢者まで様々な年代の有権者の姿が見られました。党全体の勢いを後押しに、さらなる知名度の向上を目指します。
■参政・山口誠太郎候補
「やはり代表なので(勢いが)全然違うかなと思いました。(政治に)無関心な方々にとってもかなり影響力があると思う。たくさん来ていただいたのでみなさんの拡散に期待したい」
立憲民主党・新人 鎌田聡候補
立憲民主党・新人の鎌田聡候補の選挙ポスターにはある変化が。写真が走る候補の姿に変わっています。異例ともいえる選挙期間中のポスター変更で勢いをアピール。ほぼ毎日行っているラン遊説では、他の野党の国会議員も一緒に走りながら支持を訴えたほか、先週金曜日には党の辻元清美代表代行が駆けつけました。
■立民・辻元清美代表代行
「この熊本から風穴を開けてほしい。鎌田さんが大接戦までここまで追い上げてこの短期間でここまで追い上げたというのは、私は理由はただ一つだと思う。鎌田聡への信頼じゃないでしょうか」
党の重点区としての手厚い支援を追い風にします。
■立民・鎌田聡候補
「重点選挙区ということがある。大変大物(議員)に入ってきていただいて陣営も締まりますし、県民のみなさんも相当力を入れているんだと分かっていただけると思う」
各陣営の終盤戦の戦略
【スタジオ】
(緒方大樹記者)
20日(日)の投票まで1週間を切りました。各陣営の終盤戦の戦略をまとめました。
まずは立花候補です。これまで通りバイクを使って地域の課題を掘り起こしていく対話型選挙を展開していきたいとしています。
次に、馬場候補も従来通り遊説に力を入れ、「全県」を回ることにこだわりながら、様々な人に会い次の6年につながる声を聞きたいとしています。
山口候補は熊本市を中心に県内を均等に回り知名度向上を図るとともに無関心の人に投票に行ってもらえるよう訴えたいとしています。
そして、鎌田候補はできるだけ多くのエリアを回るとともに、若者からの知名度アップを狙い注目を集めやすいラン遊説やSNS発信を強化していくとしています。
(永島由菜キャスター)
投票率を上げるため様々な取り組みが進められています。半導体関連企業が集まるセミコンテクノパークの最寄り駅であるJR原水駅前で14日朝、菊陽町選挙管理委員会が投票の呼びかけを行いました。
(緒方大樹記者)
TSMC進出による経済効果や交通渋滞、環境への影響などが争点の一つとなっていることもありますし、平日に人が多く集まる場所で投票を呼びかけることで、少しでも投票率を上げようという狙いがあります。
県選管によりますと13日までに県内で熊本選挙区の期日前投票を済ませた人は17万411人でした。これは有権者の11.91%で前回、3年前の参院選より2.85ポイント高くなっています。
参院選の投票日は20日(日)です。三連休の中日ということもありますので期日前投票などを利用し大切な一票を投じましょう。