大雨時にサイレン鳴らず 検証委員会が熊本市長に答申書提出

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熊本 2025.11.14 19:46

8月の記録的大雨の際、熊本市で川の水位上昇を知らせるサイレンが基準通りに鳴らなかった問題です。原因などを検証した委員会が、大西市長に答申書を提出しました。



8月の記録的大雨の際、熊本市の坪井と花園、島崎の一部で坪井川や井芹川の水位上昇を知らせるサイレンが最大3時間20分遅れるなどしました。

■坪井地区の住民
Q警報が鳴っていれば?
「だいぶ違うと思います。車を動かせて荷物もちょっと上げられたって感じです」


熊本市は10月、原因などを検証する専門家による委員会を設置しました。そして14日、委員会が大西市長に答申しました。答申書には
■サイレンを鳴らす基準などのマニュアルの整備不足
■対応に当たる職員の人数は確保できていたものの指揮系統が曖昧であったこと
■訓練が十分に行われていなかったこと などの課題点が上げられています。

その上で、
▽雨が増える来年5月までに検証チームを立ち上げてマニュアルを再整備すること
▽それまでの期間に災害が起こった時のため、暫定的な対策を検討すること
▽地域と連携した訓練を実施すること などが提言として盛り込まれました。

■熊本市・大西一史市長
「提言に基づいて次の出水期、災害が起こった時に適切に対応できるようにこれから改善をしたい」


また大西市長は大雨などの際に建物へ水が入ることを防ぐ止水板の購入や設置に対する補助制度についての予算案を11月末に始まる市議会に提案できるよう検討していることを明らかにしました。

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
熊本市はサイレンが遅れた原因などを検証する委員会とは別に、山ノ下排水機場と坪井ポンプ場の2か所で、機能が停止したトラブルについて検証する委員会も設置しています。

(永島由菜キャスター)
こちらの委員会は、14日に中間答申を提出しました。それによりますと、それぞれの機能が停止したことで周辺の地域の浸水が数センチずつ増えたとして、電気設備のかさ上げなどの対策が盛り込まれています。

最終答申は今年度中に提出される予定で、機能が停止した2か所以外の排水施設の整備状況や熊本市の繁華街で起きた浸水被害への影響についても検証する予定です。