【どうなる】大津町で「宿泊税」導入動き 使い道は?利用客の負担は? 導入されれば熊本市に続き県内2例目
半導体企業の進出などを背景に宿泊客が増加している大津町で、熊本市に続き「宿泊税」の導入へ向けて議論が進んでいます。
大学教授や観光協会の関係者などでつくる大津町の検討委員会は、ことし8月から「宿泊税」導入の協議を続けてきました。
現在、年間30万人を超える宿泊客を受け入れている大津町。
今後も半導体企業の進出や空港アクセス鉄道の開通などでビジネス客や観光客の増加が期待されます。
この動きに対応する財源確保に注目されているのが、「宿泊税」です。
「宿泊税」とはホテルや旅館に宿泊する人に課されるもので、県内では 熊本市が初めて来年7月から導入します。導入されれば県内2例目となります。
【宿泊客の負担は?】
大津町が宿泊税を導入した場合に宿泊客の負担はどれくらい増えるのかについて町の担当者は、「税額は宿泊料金に関わらず1人1泊につき200円」との考えを示しています。宿泊税を200円にした場合、2023年度の宿泊者数約30万人で試算すると、年間約6000万円の税収が見込めます。
総務省によりますと、宿泊税を導入しているのは3都府県・12市町村で、今後の導入が決定している自治体が28あります。
例えば、来年7月に導入する熊本市は一律200円、すでに導入されている福岡市は2万円未満が200円(県税50円)、それ以上は500円(県税50円)です。
【定額から定率への動きも】
定額制を取り入れる所が殆どの中、定率方式に変更しようという自治体もあります。東京都は現在、1泊1万5000円未満の宿泊客に対しては100円、それ以上の宿泊料金では200円としていますが26日、宿泊料金に3%を課す「定率方式」に変更する方針を固めました。
物価上昇への柔軟な対応が可能になり、東京都は約120億円の税収が増えると見込んでいます。
熊本市は200円の定額制を変更する予定はないものの、導入して2年で見直しの検討を行うとしています。また大津町の委員会でも導入後は数年単位で見直すべきという意見も出ていて、状況によって変化することも考えられます。
【宿泊税の使い道は?】
大津町はJR肥後大津駅の整備や飲食店など人手不足への対応のほか、モバイルオーダーやキャッシュレス決済の導入支援、多言語パンフレットや案内板の整備などに充てたいとしています。
【懸念の声も…】
大津菊陽益城ホテル連絡協議会の緒方正一代表は「システムの改修やフロントの増員で宿泊施設側の経費増額は避けられない。団体の長期利用の場合など宿泊客への丁寧な説明が必要」と話しています。
次の委員会は12月23日に開かれ、年明けに町長に答申書を出す予定です。