学校給食の献立が市役所食堂に コメ価格が去年の約2倍…熊本市が家庭の負担増やさないための対策
熊本市役所の食堂で18日、学校給食の献立を再現した定食が限定販売されました。その学校給食にコメの値上がりが影を落としているとして、熊本市が対策に動きました。
■永島由菜キャスター
「熊本市役所の食堂できょう販売されたのが、学校給食を再現したメニュー。県産品100%で作られました」
熊本市では、毎月19日の「食育の日」前後に、市役所の食堂で特別メニューを提供しています。18日に限定販売されたのは、6月に熊本市立の中学校で実際に提供された給食の献立。白身魚のシイラのフライにトマトときゅうりのあえもの、そしてだご汁です。
■食べに来た男性
「おいしいです。栄養のバランスもとれていて、おいしいですよ」
■食べに来た女性
「ぜひ元気に子どもたち育ってもらいたいので、このおいしい給食を続けていただきたいと思います」
この学校給食をめぐり18日、熊本市で新たな動きが。熊本市立の小中学校の給食費に充てるため、国の臨時交付金を活用した1億円の補正予算案を市議会に追加提出したのです。
背景にあるのがコメの価格高騰です。熊本市の学校給食1食分のコメの価格は、昨年度の当初予算案では小学校で26円、中学校で31円。しかし今年度、実際にかかっているコメの費用は小学校で48円、中学校で60円と2倍近くになっているのです。
熊本市では、家庭にコメの値上がりの負担を求めず、給食を提供したいと話しています。
■熊本市教委健康教育課 草野陽介課長
「食材の種類や部位、それから量、こういったものの組み合わせをさまざまな工夫をして、子どもたちに必要な栄養価と、おいしくて魅力的な給食を提供できるように努めている」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
給食の質を変えずに、価格を据え置くための追加の予算案です。保護者のみなさんにとっては安心できそうですね。
(永島由菜キャスター)
一方で、浮き彫りとなったのが給食の食材の値段高騰です。熊本市の食材調達額の推移です。11年前の2014年は小学校が243円、中学校が295円でしたが、現在は小学校が311円、中学校が367円です。
小中学校どちらも70円前後上がっていますが、熊本市は国からの臨時交付金を活用して、給食費を据え置いています。
(緒方太郎キャスター)
保護者の負担を変えずに対応しているんですね。
(永島由菜キャスター)
一方で、自治体独自に給食費を無償化する流れが広がっています。熊本県内でも、宇城市や和水町など17の市町村が給食費を無償にしています。
(緒方太郎キャスター)
食材の値上がりが止まらない中、成長期の子どもたちを支えるために財源をどこに投入していくか、判断が問われています。