シリーズ「和食展」③ 9月23日までの和食展へ行ってみよう!“進化する和食”とは?

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熊本 2025.09.17 01:54

熊本市現代美術館で開催中の「和食展」の魅力をシリーズでお伝えしています。

今回はのテーマは「進化する和食」です。

7月に開幕した「和食展」。熊本市現代美術館には開幕からおよそ2か月で2万人以上が訪れました。

会場では和食の歴史や食材など、およそ400の展示を通して縄文時代から近代の和食の変遷を見ることができます。

多くの人が足を止めて見ていたのが、戦国時代の豪華なお膳。織田信長が安土城で徳川家康をもてなしたとされる料理です。

タイの尾頭やカニなどで3日間にわたりもてなしたといわれます。

江戸時代になると料理書の出版が始まり、様々な調理法が生まれます。

寒天の中に豆腐を固めた「こおり豆腐」。江戸っ子の粋が感じられる涼やかな料理です。豆腐料理を100種類集めた「豆腐百珍」に奇品として紹介されています。


「和食」を後世に残そうとかつての食事を再現する店もあります。

およそ200年前の復刻料理、本丸御膳です。江戸時代から伝わるレシピ本「料理方秘」などから紐解き、現代版に生まれ変わりました。

刺身に添えるのは、煎り酒。醤油が普及する前、室町時代に考案されたといわれる調味料で、素材の味を引き立てます。

一見、ウナギのかば焼きに見えますが…。

平井友莉アナウンサー「うなぎかと思っていただいたんですけど、ちょっと食感が違いますね。」
熊本市中央区下通・青柳 倉橋恭加女将「これはうなぎもどきです。」

実は、皮目はノリ、その上に山芋や豆腐を重ねています。江戸時代、庶民が簡単に食べられないものを工夫して作っていたという記述をもとに作りました。

青柳・倉橋恭加女将「私たち郷土料理店ですから、もっと紐解いて昔の料理を今につないで次の時代につないでいけるようなそういう料理を、どんどん先人の知恵からいただいて私たちも知恵を出して次につないでいきたい。」

日本人の知恵や時代を反映させながら進化を続ける和食。

和食展は、9月23日(火・祝)まで熊本市現代美術館(熊本市中央区上通町)で開かれています。