恐竜化石調査で「また魚の化石か…」よく調べたら"アジア初"の発見だった!

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熊本 2025.11.14 20:17

御船町で9300万年前に生きていたとみられる魚の化石が見つかりました。この種類の魚の化石の発見はアジアでは初めてだということです。


御船町恐竜博物館が公開した、長さ5ミリから1.5ミリほどの四角い化石。実はこれ、淡水魚「ガー」の仲間にあたる魚類の化石です。「ガー」は硬いうろこで覆われた細長い体が特徴の北米原産の魚です。



日本では特定外来生物に指定されていて、2004年には最大種のアリゲーターガーが八代市の川で捕獲されたこともありました。

■吉田 佳記者
「御船町恐竜博物館から6キロあまり離れた山中の地層で、ガーの祖先の化石が恐竜などの化石とともに発見されたということです」



熊本大学と御船町や博物館で作る調査チームが1990年から2006年にかけ御船町の山中の地層で行った調査で、背骨やうろこの化石を発見。うろこの表面や断面などの研究を重ねた結果、ガーの祖先だとわかりました。



■御船町恐竜博物館 主任学芸員・池上直樹さん
「今回初めてアジアで確認されたガーの化石ということが証明できた」

御船町といえば恐竜。この調査も恐竜の化石が目的でした。

■御船町恐竜博物館 主任学芸員・池上直樹さん
「恐竜化石を発掘調査していると『また魚か…』とちょっと残念な化石で。実はこれまでアジアで見つかっていなかったことを知って、すごいものが御船にはいたんだなと研究の過程で感動しました」


思いがけない発見でしたが、白亜紀後期の9300万年前、北アメリカとアジアの間でガーの仲間が広く分布していた可能性が示されたのです。博物館では御船町の地層からうかがえる恐竜以外の多様な生態系の様子も楽しんでほしいとしています。