【記録的大雨】深刻な農業被害 畳の「イグサ」も…1か月で総額約799億円に

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熊本 2025.09.11 19:20

記録的大雨から1か月がたち、生活の再建が急がれる一方、今回の大雨で深刻なのは農業被害です。被害総額は県内全体で約799億円にのぼっています。(9月9日時点)

■本村寿人さん
「浸かってしまって…こんな状態」


八代市のトマト農家・本村寿人さん。ビニールハウスが浸水し、植えつける前のトマトの苗、8000本の一部が枯れてしましました。

■トマト農家・本村寿人さん
「(このような被害は)22~23年農家をしていて初めてです」

約1か月後に本村さんを訪ねました。生き残った苗を植えて育てていますが。



■本村寿人さん
「見た目も元気なようでも、ちょっと色が変わったりやっぱり元気が足りない」

今年のトマトの収穫は10月中頃を見込んでいますが収穫量や質がどのようになるのかわからないと話します。県によりますと、今回の記録的大雨で被害の大きかったのがトマトなどに代表される夏から秋にかけて作付けをする野菜の苗への被害です。



また、熊本県が国内の生産量のほとんどを占めている「イグサ」は、畳を織る機械や加工前の製品などが浸水し、被害総額は14億円に膨らんでいます。

八代市のシンボルといえる「イグサ」や特産品の「バンペイユ」など、市によると約1000件の農家に聞き取りを行ったところ9割近くの農家がなんらかの被害が出ていると回答していて、被害総額は19億円を上回る見込みだということです。



このほか農地への土砂の流入や農業施設の設備など農林水産業あわせて県全体の被害総額は約799億円にのぼっています。(9日午後2時時点)

特に被害の大きかったトマト農家に対する支援として、県は代替苗の確保を支援しています。10日までに受付を行っていて約10万本の苗の注文があったということです。他にも施設の消毒や、農業用機械の修理や復旧の支援などをするとし予算措置を行っています。