新たな技術・アイデアで熊本から世界へ「スタートアップ企業」コンテスト熊本で開催
「スタートアップ企業」とは今までにない新たな技術やアイデアで課題解決にのぞむ企業のことです。短期間での急成長を目指すため資金準備などの難しさはあるものの成長スピードが速いのも特徴です。こうしたスタートアップ企業を応援する世界最大級のコンテストの九州予選が熊本市で開かれ、熊本の企業がトップに輝きました。
■実業家・堀江貴文さん
「世の中にない価値をつくり出していくことが楽しい。スタートアップをやるなら10代20代が最適です」
5月23日、熊本市で開かれた「スタートアップワールドカップ2025九州予選」。壇上には実業家の堀江貴文さんやタレントの田村淳さんの姿が。投資賞金1億5000万円をかけたアメリカでの決勝進出を目指し、全国107社から書類選考で選ばれた10社が新たなビジネスやアイデアを競います。熊本からは2社が出場しました。
■エルボーズ 小谷草志CEO
「製造業向けに注文書、受注データの手入力を自動化するプロダクトになっていまして、現場で本当に使えるDXを実現していきます」
熊本市の中心部で、企業の業務のデジタル化を手掛けるエルボーズ(2017年設立)です。開発したのは形式が異なる注文書の入力業務を効率化するアプリです。手入力していた手書きの注文書もすぐにデータ化し、エルボーズでは業務時間を87%削減できるとしています。
さらにアプリの提供だけでなく企業に専門チームを派遣しデジタル化を支援します。そして2社めは…
■トイメディカル 竹下英徳社長
「我々は世界の健康に大きく寄与していきます」
南区に本社をおくトイメディカルです。世界の課題でもある塩分の過剰摂取の解決に取り組みます。開発したのは、「塩分を吸着し排出する」=「塩分オフセット」という技術です。きっかけは人工透析になった社長の友人の「ラーメンを食べたい」という願いからでした。
■竹下英徳社長
「一番苦しいのが食生活、食事制限という話を聞いておいしいものを時々食べられる、そんな技術を開発していけないかと考えたというのがきっかけ」
そこで着目したのが海藻に含まれるアルギン酸類です。
■竹下英徳社長
「我々は塩分を減らすのではなく体の中で吸着させることで無効化して体の中に入れなくする。そういう技術を開発しました」
一体、何が起こるのか。濃度が1%の食塩水にアルギン酸類を入れます。すると…塩分は減っていないのに濃度が下がりました。このアルギン酸類が塩分を吸着する性質を応用したのが「塩分オフセット技術」です。技術の特許も取得したトイメディカルはサプリメントや調味料を開発しました。今は麺自体にアルギン酸類を練り込んだラーメンを開発中です。
■山本紗英子アナ
「麺のコシも味も普段食べているラーメンと全く変わらない」
飲食店などと連携し来年春の販売を目指します。
■トイメディカル 竹下英徳社長
「健康もおいしさもあきらめない、そして世界の人が笑って暮らせる社会をつくっていきたい」
迎えた結果発表。AIや医療、教育など10社からトップに選ばれたのは。
「トイメディカル!」
これまでにない独自の技術を商品に応用したことや世界に市場があることなどが評価され、トイメディカルがトップで予選を通過しました。
■トイメディカル 竹下英徳社長
「うれしいの一言。地元ということもあっていろんな人に応援してもらった。プレッシャーもあったしやっと肩の荷がおりた。まだまだスタートですけれど世界に我々の技術を伝えられるのは非常にうれしく思う」
トイメディカルは10月、アメリカ・サンフランシスコでの決勝へ…熊本から社会の変革を目指す企業の世界への挑戦が始まります。
【スタジオ】
九州予選の熊本での開催は去年に続き2回目で、去年は熊本大学の研究者が作った企業が優勝しました。熊本から世界に羽ばたく企業が今後も増えることを期待します。