「仕事中にアスベスト吸った影響で肺がんに」会社に2772万円の支払い命じる判決 熊本地裁

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熊本 2024.04.24 19:23

78歳の男性が仕事中にアスベストを吸った影響で肺がんを発症したなどとして、配管工事などを行う会社に賠償を求めた裁判で、熊本地裁は24日、会社に2700万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。

この裁判は、造船現場で30年あまり工事に従事していた上天草市の78歳の男性が、仕事でアスベストを吸った影響で肺がんを発症したなどとして、勤務先の日本冷熱とその子会社に3300万円の損害賠償を求めているものです。

男性は、裁判で造船現場での様々な作業でアスベストの粉じんを吸い込み、会社からは適切なマスクの配布やアスベストの危険性についての十分な説明がなかったと主張。これに対し、被告の日本冷熱は、男性がアスベストが発生する作業ばかりに従事していたわけではないと反論していました。

24日の裁判で熊本地裁の川﨑聡子裁判長は、男性が約27年にわたり仕事中にアスベストを吸い込んだと認定。「防じんマスクの支給や安全教育を怠った」と指摘し、日本冷熱に2772万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

KKTの取材に対し日本冷熱は、「判決の詳細が届いていないため、コメントは差し控えさせていただきます」としています。