防衛省が開発を進めている国産の長射程ミサイルの最初の配備先を、熊本市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地とすることで最終調整に入っていることがわかりました。「反撃能力」つまり自衛目的で他国の領域のミサイル基地などを破壊する能力を持つことになり県内では不安の声が聞かれました。
健軍町の商店街では…。
■近隣住民
「いろんな面で怖いですよね。どういうことが起きるも分からない」
ミサイルの配備計画のニュースに不安の声が聞かれました。
■近隣住民
「何のために街なかに作るのかな。周知が行き渡ってないんじゃないか。そういうのはちゃんと話してほしい」
「このご時世なんで海外の脅威もあるんで、いろいろな地域の人が色々な方法で安全保障を協力していかないといけないのかな」
健軍駐屯地への配備計画が明らかになったのは、12式(ひとにしき)地対艦誘導弾能力向上型と呼ばれるミサイルです。
6月、静岡県で公開された演習の様子です。日本の安全保障をめぐっては、敵の武器が届く範囲の外からの防衛能力を強化することが重要視されています。その一環として、政府は12式地対艦誘導弾能力向上型の開発を進めていて、地上から発射するタイプは、今年度まで開発を完了する予定です。
自衛隊幹部は、NNNの取材に対し
「12式能力向上型を健軍駐屯地に年度末に配備する方向で間違いない」と回答しています。
健軍駐屯地に配備する方向で最終調整中だとしています。この一報に木村知事は…
■木村敬知事
「いろいろな不安を県民が持つ可能性もありますので、新しい動きがある際には、しっかりと国の方から地元に対して説明をしていただきたいと思っています」
防衛省に確認し「具体的な配備先は引き続き検討中」という回答を受けたと説明しました。また熊本市の大西市長も、自身の公式SNSで「市民生活への影響や安全性、運用の透明性など確認すべき点は数多くある」として防衛省に丁寧な説明を求めると投稿しています。
この動きをめぐってはことし3月、市民団体が長距離ミサイルを健軍駐屯地に配備しないよう求める要望書を陸自に提出していました。
市民団体の楳本光男共同代表は「住民に説明がないまま閣議決定のみで進められていることは絶対におかしい。話し合いの外交によって国際紛争に対応すべき」と団体として訴えを強めていきたいと話しました。