トライグループが「水俣病は遺伝する」という誤った学習教材を配信していた問題で、トライグループの幹部が25日、水俣市を訪れ被害者団体に謝罪しました。
■トライグループ・楠瀬大吾執行役員
「水俣病に関する差別偏見の撲滅に向けて活動されております貴会の努力を踏みにじることとなりましたこと、心よりお詫び申し上げます」
この問題は「家庭教師のトライ」を手がけるトライグループが、オンライン教材で「水俣病は遺伝する」という誤った動画と文章を配信していたものです。25日に水俣市を訪れたトライグループの役員らは、誤りを指摘した被害者団体に問題の経緯などを説明しました。そして7月にも水俣病の語り部を招いた研修会を開く方向で検討しているとしました。
これに対し被害者団体は「差別や偏見に今も苦しんでいる被害者がいるという現実を認識して教育に反映してほしい」として、今回の問題を水俣病の正しい理解につなげてほしいと要望しました。
■水俣病被害者・支援者連絡会 山下善寛代表代行
「(トライが)わざわざ足を運んでもらったことは評価したいと思いますが、謝罪の内容や今後の対策を聞いてちょっとがっかりしました。実態を知っているのかという感じですよね。環境省と水俣市、熊本県から資料いただいて勉強しましたって言うのであきれました」
この後、トライグループの役員らは胎児性水俣病患者の支援施設を訪問し、4人の胎児性水俣病患者らと懇談しました。小学校などで子どもたちに水俣病の体験を伝えている患者は「絶対に間違った情報を子どもたちに伝えないでほしい。間違いを正していくためにしっかりと勉強してほしい」と強く訴えました。