妻に暴行し死亡させた罪に問われている熊本市の男の裁判で、検察側は18日、男に懲役12年を求刑しました。
この裁判は、熊本市東区の会社員・福永輝樹被告(53)がおととし11月、自宅で妻の沙矢香さん(当時40)の背中や足、腕に暴行を加えて死亡させた傷害致死の罪に問われているものです。
福永被告は「暴行はしていない」と無罪を主張して、沙矢香さんの背中や両足、腕の傷が福永被告の暴行によるものか否かが争点となっています。
18日の裁判では、遺族の代理人弁護士が「沙矢香を返せ」という父親の言葉を読み上げました。
検察側は、「傷の多くは自傷行為や転んでできるものではなく、他者の暴行によるものと考えられる」と指摘したうえで、福永被告が以前から沙矢香さんに暴力を振るっていたとする娘の証言に触れ、懲役12年を求刑しました。
一方、弁護側は、「沙矢香さんは床に頭を打ち付けるなどの自傷行為をしたことがあり、傷は部屋の棚から転落したり、小さなイスで自分の足を殴ったりしてできたもの」などと主張。「福永被告を有罪とするには大いに疑問がある」と述べ、無罪を求めました。
暴行はあったのか、なかったのか。判決は24日に言い渡される予定です。