選挙2016

潮谷前知事 「蒲島県政3期目 これだけはしてほしい」

前の熊本県知事の潮谷義子さん(日本社会事業大学理事長)に、知事選終了直後の28日にインタビューし、3期目に入る蒲島県政に対する提言をしてもらいました。

* * *

SIOTANI_R.jpg

選挙結果はあまりの大差で、驚きました。現職の知名度で差が開きましたが、蒲島さんの政策や実績に対する評価はこれからでしょう。

蒲島さんは人口減対策、雇用確保、農業問題などで実績を訴えました。これらは国の施策でもありますが、2000年を境に地方分権が進む中、県独自の施策を出すことは十分にできます。熊本県は、全国平均より高齢化が7年早く進んでいます。人口減にとどまらず、医療費高騰や高齢者の居住や暮らしを支えていくことが急務です。とりわけ第1次産業には、人口減による後継者不足に加え、TPP(環太平洋経済連携協定)の影響も重くのしかかってきます。

もはや農業だけの振興策ではなく、工業を中心にした企業と連携したり、県立の工業系専門学校などの機能を強めたりしてイノベーション(技術革新)を起こしていく方策を考えるべきです。農業従事者の声に耳を傾けつつ、「第6次産業」にたどり着くまでのプロセスを作っていかなくてはなりません。

蒲島さんに何としてもこれはやってもらいたい、と言いたいのは水俣病の健康調査、川辺川問題、そしてハンセン病。熊本県が抱える3つの大きな問題を、まず客観的に調査して、成果を少しずつ出してほしい。川辺川ダムは建設が止まったから終わり、ではありません。人口が流出してしまった中でどう地域振興を図っていくかは、これからです。

私は知事の時代に、県庁の仕事の軸足を、従来型の「要望」から「政策提言」へと移していくよう求めました。仕事の中心には県民がいなくてはいけません。費用対効果の検証と、県民への情報提供、説明責任を果たすための透明性確保が大切です。県庁職員は能力が高く、方向が決まればとても頑張ります。知事は職員にテーマを与えるのではなく、テーマを掘り起こさせることが大事だと思います。

誰が知事をやっても同じ、ということはありません。知事の立ち方(スタンス)は大きく県政を左右し、知事の決断ひとつで方向性は大きく変わります。誰も教えてくれず、ひとりで決断することもあります。専門知識もない出来事に、雑巾のようにない知恵を絞って立ち向かっていかないといけない時もある。副知事も局長も、誰も味方になってくれなくて、悩んだこともよくありました。

知事は心身ともに公務を優先しなければならない非常にハードな仕事。私は3期もやったら燃え尽きてしまうと思い、ライフワークである福祉で仕事を締めくくりたくて、3選出馬しませんでした。農業の現場をよく知り、知識もある蒲島さんなら、3期目も大丈夫でしょう。県民が政策を評価するのはこれからだ、と肝に銘じて頑張ってほしいと思います。 (談)

エントリー