熊本地震の記録

西原村「揺ヶ池」の霊水、完全に干上がる          2017年2月7日

霊水として知られ、阿蘇のパワースポットのひとつだった西原村小森の揺ヶ池(ゆるぎがいけ)の水が、熊本地震の影響で完全に干上ってしまいました。阿蘇ジオパークの熊本地震の被災状況などの現地調査に訪れた地質の専門家らが池の現状を確認しました。

0207yurugiA.jpgdeltaworks-1290_792x594_R.jpg揺ヶ池は「萌乃里」近くにある直径4メートルほどの泉溜まりでした(写真左)。阿蘇の伏流水が湧き出て、コバルトブルーの神秘的な水面がいつも揺れていることからこの名がつき、地元では「お池さん」と呼ばれていました。

池からはその昔白馬が昇天したという言い伝えがあり、地元の豪族が近くに弁財天を祀って以来、地元の信仰を集めてきました。1914年(大正3年)8月に「夢のお告げがあった」とする住民が池の水を足に塗ったところ、長年の痛みが1か月で消えたという話が広がって、一時は県内外から1日数千人が訪れたそうです。ブームが去ってからも神秘的な池の水はご利益のある霊水として親しまれていました。

しかし、地震の後徐々に水位が下がり始め、2016年秋には半分ほどになっていました。今は茶色い地肌がむき出しになっています。地震で伏流水の湧き出しが減った上に、池の周りに割れ目ができて、水が抜けたとみられています。地元では再び水が湧き出ることを願っています。

ジオパークは特徴のある自然や地域の歴史、文化への理解を深める場所で、阿蘇地域は2014年に世界ジオパークに認定されました。この日は地質の専門家や阿蘇ジオパークのガイドなど約30人がジオパーク内を回り、主要地点や現地へのアクセスの状況などを調べました。専門家によると、ジオパークに認定された場所が地震に見舞われたケースはあまり例がなく、今回の調査を通じて日本や世界のジオパークと情報を共有したいとしています。

0207yurugiB.jpg調査に参加した産業技術総合研究所の渡辺真人さんは「地球が動いたときにできるだけ被害を被らないようにするにはどういうことを考えればいいか、阿蘇ジオパークが考えていく場所になればいいと思います」と言います。阿蘇ジオパークガイドの児玉史郎会長は「一番大切なのはそこに行けるかどうか。行ける場合も(地震の影響で)制約が出ているはずなので、役場や地域の方と協力しながら調べていきたい」と話しています。

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