熊本地震の記録

阿蘇の柱状節理 国が復興工事で大規模に破壊       2017年9月20日放送

seturi1_R.jpg熊本地震で崩落した阿蘇大橋の架け替え工事で、立野峡谷の独特の景観を形作る「柱状節理」の一部が削り取られ、さらに別の場所の柱状節理も削り取られる予定であることが分かりました。

柱状節理は、マグマが冷え固まる際に入る柱状の亀裂で、阿蘇を代表する景観の一つとなっています。立野峡谷は国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定した阿蘇ジオパークの構成資産のひとつで、4年ごとの再認定審査が2018年に予定されており、柱状節理の破壊が審査に影響する可能性もあります。

seturiA.jpg削り取られていたのは、新たな阿蘇大橋の架け替え予定地にあたる黒川の右岸(写真上)です。現場では、国土交通省熊本復興事務所が阿蘇大橋に代わる新しい橋の建設を進めており、長さ250メートルの工事用道路を川岸の崖上から下に向かって新設するために、柱状節理を含む高さ70メートル、幅110メートルの川岸を削ったということです。川岸はほとんど民有地でしたが国が買収し、昨年11月に着工しました。

阿蘇ジオパーク推進協議会の構成員である県阿蘇地域振興局によると、国交省からは橋を架ける場所の説明は受けたものの、柱状節理を壊すことなどは聞いていなかったということです。

seturi4_R.jpgこの工事現場からおよそ1キロ下流の白川右岸にある柱状節理(写真左)も、国交省が計画している立野ダムの建設予定地になっており、今後、幅200メートルほどにわたって削り取られる予定です。

削った後はコンクリートで固める計画だということです。国交省立野ダム工事事務所は「立野ダム建設は法令を遵守し、自然環境の保全に十分配慮して事業を進める」と話しています。

蒲島知事は「柱状節理の取り扱いについては、必要最小限の掘削が生じること、それ以外のか所では柱状節理の露頭を掘削しないことを改めて国に確認した」とするコメントを出しました。

立野峡谷の保全活動などに取り組む市民団体の中島康代表はKKTの取材に対し、「市民への説明もなく、ジオパークの美しい景観を壊してまでダムを作る必要があるのか」と話しています。

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