熊本地震の記録

復興要員確保に四苦八苦 女子従業員や高校生の視察会も  2017年5月25日       

一連の地震による被害額は熊本県の試算で3兆7850億円。すべてを元に戻すだけで2020年の東京五輪が開催できるだけの予算が投入される計算となります。県内は今後数年は建設業を中心に復興需要が続くとみられますが、大きな課題として浮上しているのが復旧・復興要員の確保です。継続的に建設業に従事する労働力が確保できなければ、息の長い復興への取り組みは実を結ばないからです。

170526ONNADOKEN.jpgこのために必要なのが、若者の建設業への就労人口を増やすこと、さらには女性や高齢者など、これまで建設業に携わってこなかった人たちの労働力を活かすことです。

県建設産業団体連合会は2017年5月25日、女性従業員を対象にした工事現場の見学会を開き、県内の建設会社などで働く女性20人余が熊本市西区のトンネル工事現場を見学しました。2012年の国の調査によると、県内で建設業に携わる従業員5万3000人余のうち女性は約18%にとどまっています。業界側にも、女性が働きやすい環境の整備といった課題があります。

若い建設産業の担い手確保に向けて「建設産業イメージアップ戦略」を進めています。建設産業の力、県民の安全・安心を支える仕事の魅力を広く知ってもらおうと、2016年10月27日にはPR動画を制作しました。

地震発生直後は全国から復旧応援に多くの人が集まりましたが、インフラがほぼ復旧すると応援要員は次第に減っていきますが、復興はこれからが本番で、県内では復興に向けた建設土木工事が増加しています。しかし、高校で土木を学ぶ生徒の3分の2は土木や建設業界に進まないといいます。

161021DOBOKUa.jpg被災地を見て就職先として考えてほしいと、熊本県建設業協会は2016年10月25日、熊本市内の高校で土木を学ぶ高校生を対象に現場見学会を開きました。熊本農業高校、開新高校、熊本工業高校の農業土木科や土木科の生徒たちが、熊本地震で大きな被害を受けた現場に足を踏み入れました。

南阿蘇村の大規模な土砂崩落現場を訪れた生徒たちは、県の担当者から被災の現状を聞きながら、被害の様子を確かめていました。多くの生徒は被災現場に初めて来たということで、変わり果てた風景に息をのんでいました。土砂崩れで道路が寸断され、いまだに復旧作業が始まっていない現場も見学したほか、楼門が倒壊するなど大きな被害が出た阿蘇神社も見学しました。

見終わってから「道路整備などの仕事がしたいと思った」「早く土木を勉強して将来役に立てるようにしたい」と話す生徒もいました。自分の目や耳で被災現場を体感し、自分たちが学ぶ土木の重要性を感じた高校生たち。この日学んだことはレポートにして、今後の勉強に生かしていくということです。

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