熊本地震の記録

被災の惨状と希望を描き続ける「震災画家」        2016年9月23日放送

160923GAKA0.JPG熊本地震の被災地を訪ね、記憶を後世に伝えようと絵筆を走らせる男性がいます。埼玉県の油絵画家、鈴木誠さん(44)です。

鈴木さんは自らを「震災画家」と呼んでいます。5年前の東日本大震災では、これまでに東北4県で120か所以上を訪れ、地震などの自然災害に見舞われた被災地で感じた思いを作品にしてきました。「震災の惨状がわかるということ、その中で少しでも希望が感じられることが一番重要かな」と話します。

160923gakaC.jpg熊本地震以降、県内で16か所目となる場所は、益城町にある木山神宮。およそ260年前に建てられた本殿は1階部分が崩れて全壊し、参道のいたるところも、まだな壊れたままとなっています。鈴木さんは神社の歴史を感じながら、入念に絵の構図を決めていきます。

「本殿が屋根ごと落ちてしまっている震災の現状と、その中でも参拝客のためのテントを設置して今でも拝めるように配慮している。その2点が重要です。少しだけ咲いている赤い花は希望の花にもとらえられます」

神社を描き始めて2時間余りたったとき、1組の家族が、先月生まれたばかりの娘の初宮詣に訪れました。この様子を見た鈴木さんは、作品の仕上げに、青色を描き足しました。

160923gakaB.jpg「人々に親しまれている場所なんだな、と。初宮詣を見たときにひときわ明るく感じた。子どもが天高く昇っていけるところがまだあるよ、と空に青を差し込んでみました。完成した絵を見に来た神社の宮司、矢田吉定さんは「遠近感が出ていて素晴らしい」とうれしそうです。

「地震という天災があっても必ずいつか花が咲くんだと。東日本大震災でもそうだったように、熊本もそうなってほしいと思います」。鈴木さんは絵を描くことで、これからも熊本を応援し続けます。

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