熊本地震の記録

県外に避難した猛獣たち 元気です!            2016年7月21日放送

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熊本地震の発生直後に「ライオンが逃げた」とツイッターにデマを投稿した神奈川県在住の男(20)が20日、問い合わせの電話で熊本市動植物園の業務を妨害したとして偽計業務妨害の疑いで逮捕されました(写真右はその時のデマ映像)。

実際には、動植物園の猛獣たちは地震後、県外に避難し、避難先で人気を集めています。地震以降一般公開されていないので知られていませんが、地震で大きな被害を受けた動植物園は、動物たちを園内のより安全な場所に移動させる「園内避難」を行っています。しかし、すべての動物が園内避難ですんだわけではありません。例えばユキヒョウの「スピカ」の獣舎は、地震で建物が斜めに傾き、隙間ができてしまいました。余震でさらに隙間が広がる恐れがあったため、猛獣は県外の動物園に避難させることになりました。

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獣医師の松本充史さんは「基本的には何かあっても園内で対応することが多かったのですが、今回は地震という今までにないケースなので、仕方なくほかの園に要請せざるを得なかった」と振り返ります。こうした福岡県に「スピカ」のほか、アムールトラの「チャチャ」ウンピョウの「ジュール」と「イーナ」が移り、ライオンの「サン」は大分県に移るなど、5頭の猛獣が熊本から離れました。


supikainoomuta_R.jpg大牟田市動物園に移った「スピカ」は、地震直後はストレスで不安な様子をみせていましたが、いまは落ち着きを取り戻し、食欲も十分です。姿を見せると大きな人気。見に来た人の多くは熊本から来ていました。大牟田市動物園でスピカの飼育を担当する伴和幸さんは「熊本の方から(スピカを)よろしくお願いしますといわれたり、最近の様子はどうですかといわれることが多いです」と言います。熊本から訪れる人たちが増えたおかげで、大牟田市動物園の入園者は19年ぶりに年間21万人を超えた昨年度を上回るペースで増えています。

一方、お客さんがいないなかで動物の世話を続ける松本さんの胸の内は複雑です。「ぜひ早く戻ってきてほしい」という気持ちがあるのに、熊本市動植物園は受け入れる設備はおろか、再開のメドも立っていません。スピカの映像と大牟田市動物園を訪れた人の「再開したらまた行きます」「開園を待ってます」といったビデオメッセージを見た松本さんは「本当にうれしいです。僕らも一刻も早くと思っています。頑張ります」と話してくれました。

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