熊本地震の記録

障がい者を受け入れた熊本学園大 奮闘「誰でもできる」  2016年5月28日

160528gakuendai_R.jpg避難所として行政の指定を受けていないにもかかわらず、熊本地震の直後から自主的に障がい者の避難を受け入れ続けてきた熊本学園大学が、避難所の運営を終えました。

校舎につくられた避難所には近所の人などを中心に、地震直後には750人が身を寄せました。ホールに設けられていた一室は障がい者や高齢者など介助が必要な人のための避難スペースです。障がい者の受け入れも大学が自主的に決め、教職員や学生、それに医師や看護師のボランティアで運営を続けてきました。

避難所を運営した花田昌宣教授は「校区に障がい者がいて(大学に)来たいという人がいて、講堂を(障がい者の)避難スペースにした」と経緯を説明します。

学園大に身を寄せたの障がい者は大学の近くに住む人だけではありませんでした。足に不自由を抱える米野雅恵さん(70)はひとり暮らし。当初は近くの学校に避難を試みたといいます。

「藤園中学校に行きましたが、校舎を使えないからそこを抜けてここに来ました。避難所はここです、と町内会から来るのもあるが、屋根もないし泊まるところもないのが一番困る。ここは皆さん良くしてくれて、手助けをお願いすればsすぐに来てくれる」

学園大に来た人のなかには、指定避難所の入口に段差があったり、多目的トイレがなかったりして、自宅の近くの避難所の利用をあきらめた人もいました。行政から指定を受け、障がい者の避難を受け入れていた福祉施設では、介護職、看護職の深刻な人手不足が起きていました。施設が被災したなどの理由で「学園大で受け入れてほしい」という打診も来るようになり、学園大に避難した介助が必要な人は一時60人にものぼりました。

自宅に帰れず、地震直後から車中泊を続けていた森山天斗さんと母親の清美さんは「体を伸ばせる場所」として学園大に来ました。「障がいがあって(一般避難所の)体育館に行くといろんな面で迷惑がかかると思っていけなくて。スタッフの方もよくて、本人も(学園大なら)行くといっていたのでお世話になりました」。

学園大は、体が不自由で生活再建が進まない人のもとにボランティアと出向く「帰宅支援」も行いました。学園大の吉村千恵講師は「ひとり暮らしの高齢者や障がいを持った人は特別なサポートがあって初めて、元の生活に戻れます。それは特別扱いというわけではなく、ぎりぎりで暮らした中で災害がかぶさってきたときに出てくるニーズ。災害弱者の支援計画に具体的に入れるといい」と必要性を力説します。

28日には避難していた10人の次の生活の場も決まり、それぞれ避難所を後にしました。暗くなった中で最後の一人を見送った花田教授は「地域の縮図が大学に来ちゃった。地域の中に高齢者も障がい者も母子家庭もいることを念頭において避難所づくりをしないといけない。学園大だからできたということも否定はしないけど、誰でもできますよ。それはわかってほしい」と話しました。

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