熊本地震の記録

出産予定日前日に震度7 支えられ困難乗り越え生まれた命 2016年5月25日放送  

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ミルクを飲みながらうとうと眠たそうな赤ちゃんは南方梨那(りいな)ちゃん。4月18日に母・まりさんと父・謙一さんの間に生まれました。姉の麗美那さん(16)も初めてできた妹の誕生がうれしくてたまらない様子です。梨那という名前も、まりさんの「り」と謙一さんの「い」、麗美那さんの「な」を重ねて、お姉さんが考えました。

益城町が震度7に見舞われた4月14日、まりさんと麗美那さんは、謙一さんが配送業の夜勤で不在のときに被災しました。まりさんは「ものが倒れてきて、娘の部屋に走っていくと娘がベッドの上でぼーっとしていたので、危ないからと2段ベッドの下に隠れました」と振り返ります。娘の無事を確認してほっとしたのも束の間、まりさんにお頭にある不安がよぎりました。翌日が出産予定日だったのです。

「まだ出てこないで、って祈るしかなかった。こんな状況で生まれてどうなるんだろうって」

余震が続き、2人は車中泊することを決めました。しかし、それはお腹の大きいまりさんにとって想像以上に過酷な環境でした。

「ずっと座っているとお腹に負担がくるので、横になって」(まりさん)「痛いっていうたびに大丈夫かなって。陣痛が来て運転できなくなったらどうしようって」(麗美那さん)

通院していた益城町の産婦人科もライフラインが止まり、機械も倒れていました。陣痛が来たらどこが引き受けてくれるのか。16日には2度目の大きな地震が来ました。自宅近くの神社で車中泊をしていた時、隣で車中泊をしていた人から「(熊本市の)福田病院で妊婦を受け入れているようだ」と教えてもらい、診察を受けたところ、まりさんの体に異常が見つかりました。羊水の減少、さらに妊娠中毒症。すぐに入院、5時間後に破水。無事に3128グラムの女の子が生まれました。

「生まれる前も後も、いろいろな人の手助けがあってこうやって元気に大きくなれたんだよって。だからみんなを大切にできるようにって伝えたい」とまりさんは梨那ちゃんに語りかけます。新たに家族になった梨那ちゃんは、支えあうことの大切さを教えてくれます。

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