熊本地震の記録

新町・古町 歴史ある街並みを守る「おせっかいし隊」とは  2016年5月19日放送

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熊本城の城下町として栄えた熊本市中央区の新町・古町(しんまち・ふるまち)地区は、築100年以上の多くの建物が地震で被害を受けました。歴史ある街並みを復興させようと立ち上がった人たちがいます。

新町・古町地区ではいま、新しいマンションやビルの間にブルーシートで覆われた古い建物が見えます。この地区では明治時代に建てられた多くの歴史ある建物が地震で被害を受けました。数百年続いた店を閉める決意をした人もいる一方で、この町を再び元気にしたいという熱い思いを持つ住民もいます。

吉野徹朗さん(写真)は先月14日の地震の直後、地域の仲間たちとともに避難所で炊き出しなどを行いました、その仲間たちと町全体の復興を手伝う「くまもと新町古町復興プロジェクト」を立ち上げました。

魚屋町(うおやまち)に住む鈴木婦美子さんの自宅は、大正時代に小児科として建てられ、熊本市の景観形成建築物に指定されています。築103年のこの建物も、内部の漆喰がはがれ落ちるなど大きな被害が出ました。吉野さんたちは「おせっかいし隊」と称して散らかった室内の片づけを手伝いました。鈴木さんは「お節介なんてとんでもありません。うちなんて3回くらい来てもらって、漆喰の土嚢袋は1000袋くらい出してくれました。感謝の気持ちでいっぱいです」と話します。修復にどれぐらいの費用や時間がかかるかまだ見当もつきませんが、鈴木さんは歴史ある建物を可能な限り残したいといいます。

鍛冶屋町にある森本襖表具材料店の建物は、130年前に建てられました。応急危険判定では危険を示す「赤紙」が貼られましたが、補強さえすれば再建は可能と診断されました。ひとりで店を切り盛りする森本多代さんが頼ったのが頼ったのは吉野さんたちの「おせっかいし隊」でした。

「みんなの力があったから。自分だけでは全然だめだった。これだけパワーがある町はないと思う。うちの商売は『絶滅危惧種』。細々とでも日本の昔からの品物を大事にしていく人がいるならこたえたい。そして日本の文化を残したい」。森本さんは店の営業再開を強く望んでいます。

新町・古町を地震の前より元気で楽しい町にしたい、という吉野さんは「地震の前より活気ある町とか、魅力ある町づくりは、変な話、いい機会。地震というきっかけがあったので。再生できるという情報を与えることでオーナーが復興させようという気持ちを持ち始めた。今はそういう気持ちを持ち始めた段階だと思います」と語ります。

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