熊本地震の記録

避難中に容体急変した心臓病の赤ちゃん 多くの人に支えられ   2016年5月17日

160517akacyan_R.jpg重い心臓病を抱える生後4か月の赤ちゃんが、地震後に容体が急変しましたが、多くの人に支えられて危機を脱し、17日、無事に退院しました。

17日、鹿児島大学病院を退院したのは、生後4か月の相浦悠莉ちゃんです。4月のはじめに熊本市民病院で受けた3か月検診で、生まれつき心臓の壁がない「完全房室中隔欠損症」ということがわかりました。これからどう治療していこうか、病院と話をしていたさなかに熊本地震が起きました。

熊本市東区で家族5人で暮らす相浦さん一家。全員無事でしたが、壁にはひびが入り、家の中はぐちゃぐちゃになって、余震への不安から車中泊を余儀なくされました。

本震から2日後の朝、悠莉ちゃんの体に異変が起きました。母親の理恵さんは「車の中で、泣き方がおかしいなと思って抱き上げたら顔色が悪くなっていて、泣き止まさないとと思ったら呼吸が2、3秒停止した」と振り返ります。

すぐに救急車を呼び、熊本赤十字病院へ。危険な状態でしたが、熊本県内で唯一子供の心臓手術ができる熊本市民病院は被災していました。ヘリコプターで鹿児島大学病院に運ばれました。

「(鹿児島についたときはだいぶ(症状は)改善していたが、熊本の病院に搬送されたときはショック状態で血圧が下がっていて命の危険がある状態だったと(聞いた)」(小児科医師)「小児科の先生から話を聞いて、1〜2週間以内に手術をしたほうがいいと。待っていてもよくなる込みはないので」(心臓血管外科医師)

「ゆりちゃん かならずかえってきて」。小学1年生になったばかりの兄・仁貴くんは、車中で寝泊まりして油浸の不安と闘いながら、手紙を書きました。そして先月28日、家族全員が駆けつけ、悠莉ちゃんの手術が始まりました。およそ3時間にわたる手術は無事に成功しました。

理恵さんは「悠莉のことだけでなく、私たち家族にもみなさんすごく優しくて、一生懸命フォローしてくださろうと声をかけてくれて、本当に助かりました」と話しています。

悠莉ちゃんは今後、心臓の壁をつくるための手術をしなければなりません。1歳をめどに、再び鹿児島大学病院で手術する予定です。鹿児島の医師たちは「できるだけ大きくなって、大きくなった姿を見せに来て」「できるだけ大きくなって、成長した姿を見せに来てほしい」と願っています。

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