熊本地震の記録

被災した老舗酒蔵「瑞鷹」 再起への思い          2016年5月10日放送

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正月のお屠蘇(とそ)や料理酒として親しまれている「赤酒(あかざけ)」の醸造元で知られる熊本市南区の「瑞鷹(ずいよう)」が、今回の地震で被災し、酒造りが出来なくなっています。

山積みとなっている大量のガラスは、地震で割れた「赤酒」の瓶。歴史を感じさせる建物が今にも崩れそうになっています。倉庫として使用していたおよそ150年の歴史がある蔵もボロボロになってしまいました。

「1個1個の被害を確認していくのが怖い。わかればわかるほど全部問題だらけなので」。瑞鷹常務の吉村謙太郎さんは顔を曇らせます。被害が深刻なのは建物だけではありません。いたるところに割れた瓶の山があり、蔵の中では大きなタンクが倒れています。

「一番ダメージがあったのは酒。商品が割れていたり、タンクが揺れて大丈夫か、という状況になっている。作った商品(の被害)を見るのはつらい」と吉村さん。瓶詰めされ出荷を控えた赤酒や日本酒への被害は、少なくとも1200万円にのぼります。酒蔵の要である製造ラインも壊れ、瓶詰もできなくなりました。さらに蔵全体に張り巡らされている配水管が破けてしまい、製造ラインの復旧は先が見えません。

吉村さんを元気づけるため、県内外から友人が集まりました。おいしそうに瑞鷹の酒をおいしそうにのみ交わし、「東京・銀座に熊本館ってあるんだけど、そこに通常おいてあるものがないっていうのはショックだし」「関東でも応援している。ぜひおいしい酒を造れるようになってほしい」と口々に吉村さんを励まします。

瑞鷹のお酒を待っている人がいる――。吉村さんは「復旧の方法を模索しながら、どういう風に蔵が生まれ変われるか考えていく」と、再起への強い決意を語ってくれました。

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