熊本城と加藤清正

「奇跡の石垣1本立ち」飯田丸 緊急工事終了           2016年7月29日

熊本地震で石垣が崩れ、石垣の角の隅石1列でかろうじて倒壊を免れていた飯田丸五階櫓(やぐら)の緊急工事が29日、完了しました。

飯田丸は城の南側を守る要で、2005年(平成17年)に復元されました。一連の地震で石垣が崩れ、「隅石1本立ち」で櫓の重量の半分を背負って倒壊を免れてきました。熊本城工事事務所の土山元治所長は「ある意味で奇跡という言葉が当てはまる。いろいろな要因が重ならないとこのような形で残ることはできない」と話しますが、梅雨の大雨の影響で、櫓の床板もさらに変形が進んでいて、いつ倒壊してもおかしくない状態となっています。

どのように倒壊を防ぐか検討した結果、高さ14メートル、重さ420トンの鉄骨を「コ」の字に組んだ装置で飯田丸を囲った上で、櫓の柱の下に鉄骨を差し込み、下から支えて隅石にかかる荷重を分散させました。鉄骨で組んだ"鉄の手"で櫓を包み込む工法は、橋の工事の技術を参考に考案された、これまでになかった手法です。およそ8000万円をかけて6月10日から始まり、飯田丸近くで"鉄の手"をくみ上げた上で、7月21日からジャッキでゆっくりと南側、西側へと動かし、先端にある約8メートルの支えを櫓の下に差し入れました。

これで地震から3か月半にわたって「奇跡の1本立ち」で残ってきた飯田丸は倒壊を免れました。熊本市では今後、櫓の修復が可能か、修復可能ならどのように本格的な修復工事を進めるかを調べる予定です。完全に元の姿に戻るのかどうかや、復元時期のメドはまだたっていません。

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