熊本地震 連載・データ集

シリーズ豪雨の教訓 地震が水害を大きくする   2017年6月5~8日放送

0000③-C-1サイサツ.jpg県内は6月6日、梅雨入りしました。梅雨の時期の降水量を九州各県で比較すると、過去20年間の2か月間の平均で805.7ミリと、熊本県は他県より多いことがわかります。年間の降水量のうち、梅雨の時期の降水量も高くなっています。つまり、梅雨にまとまった雨が降る傾向があるわけです。

熊本は梅雨の中ごろに大雨となることが多く、2016年6月21日未明には、甲佐町で1時間に150ミリ、宇土市で122ミリなど、観測史上最も多い雨量を記録するところもありました。

熊本地方気象台の西辻和也気象情報官も「熊本は地理的に梅雨時期に大雨になりやすく、他の地域に比べて数倍雨の量が多いことになります。近年は短時間の強雨が年々増える傾向にあります」と話します。

0002土砂災害.jpg降水量が増えたとき、危険度に応じて出されるのが様々な警報や気象情報です。西辻情報官は「(地震の)揺れの大きかったところで土砂災害の可能性が高いところは通常の基準よりも引き下げて、8割の暫定基準で運用しています。洪水についても、震度5強以上の所は7割で運用しています。地震の影響はまだ残っています。まだ影響は続くと考えているので注意してほしい」と話しています。

警報を出すときの河川を流れる水の量や土壌にたまる雨の量を10とすると、地震の被害が大きかった地区は河川の水は通常の 7割、土壌の雨は通常の8割に達した時点で、土砂災害警戒情報や大雨警報、洪水警報を発表します。警報が早く出れば、避難の呼びかけも早くなります。

keihouAkawatta.jpg避難の呼びかけのうち、昨年から変わった点が2つあります。一つ目は 「避難指示(緊急)」 です。避難指示が出る状態は「すでに災害が発生していてもおかしくない、極めて危険な状況」です 。この点を強く呼びかけるために(緊急)という表記が加わりました。

もう一つは「避難準備情報」が、昨年12月から「避難準備・高齢者等避難開始」に変わりました。高齢者や障害のある方など避難に時間がかかる人たちに避難を始めることを呼び掛けるため、具体的に"高齢者" などの文字が入りました。

2016年8月に東北地方を襲った台風10号で、岩手県岩泉町の高齢者施設が濁流に巻き込まれ、入居していた高齢者9人全員が亡くなりました。避難準備情報は前日に発表されていましたが、高齢者の事前の避難に生かされませんでした。これを教訓に「高齢者が避難を始める段階」ということを明確にするため名前を変えました。

避難情報を発表するのは市町村です。熊本市の危機管理防災総室の村上孝之室長は「『大丈夫だろう』という考えもあるかもしれないが、実際に避難して頂く方が少なくて、(勧告を出した中の)1%くらいです。避難の情報も多くなるかと思うけれども、またか、という考えになるのではなく、いざ災害が起こってからでは遅すぎるので、早めに避難という行動をとるようお願いしたい」と話します。

早めの避難勧告が出ると「何も災害は起きていない」と感じるかもしれませんが、人的被害が起きる可能性が高まったとき出されるものなので、危険を感じる前に避難することが大切です 。避難情報を出す自治体には「空振り」をおそれず呼びかけ、情報の受け手である私たちは、その意味を正しく理解することが重要です 。(2017年6月8日放送)

熊本地震で土砂崩れが発生した場所の多くが手つかずのままになっていて、梅雨の季節を前に再び土砂崩れが起きる恐れがあります。布田川断層が走る西原村布田地区などの現状をリポートしました。(6月5日放送)

熊本地震で益城町を流れる秋津川は川岸が沈下し、大雨による被害が心配されています。梅雨時は自分の身は自分で守ることが必要です。(6月6日放送)

また、地震で宅地にたくさんの亀裂が生じていることで、そこから雨水が入って崩落や擁壁の崩壊が起きやすくなっています。専門家は、長期避難世帯がある地域はもちろん、それ以外の地域でもブルーシートの点検などが必要と指摘します。(6月7日放送)

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