熊本地震 連載・データ集

復旧・復興プランと28項目の工程表          2016年10月3日

161003hukkoukaigi.jpg蒲島知事は8月3日、熊本地震の被災者の住宅支援など24項目の復旧・復興プランと、その実現まで4年間の工程表(ロードマップ)を発表しました。被災した道路や橋を3年以内をめどに完全復旧させるとしたほか、2年後をめどに仮設住宅から災害公営住宅(復興住宅)などに移れるようにするとしています。10月3日の復旧・復興本部会議では、さらに4項目を追加しました。

蒲島知事は工程表を今後4年間の計画とした理由について、「(4月に始まった3期目の)任期にこだわった」と説明しました。

復旧・復興プランは 五百旗頭(いおきべ)真・熊本県立大理事長が座長を務めた「くまもと復旧・復興有識者会議」がまとめた提言を踏まえて作成したものです。被災者の生活再建と自立を支援する「地域支え合いセンター(仮称)」と、被災者の心をケアする「熊本こころのケアセンター(仮称)」を10月にも設置することも盛り込みました。災害廃棄物は発災から2年(2018年4月)までに処理を終えること、阿蘇神社の復旧については、楼門の復旧が2022年度までに完了するよう支援するとしています。

28項目の復旧・復興プランと工程表は以下の通り(*は10月に追加された項目です)。

1、生活の支援・住まいの確保

・被災者の意向に沿いながら、応急仮設住宅や、みなし仮設住宅を提供する。

・仮設住宅等で生活されている被災者については、入居後2年をめどに、自宅や公営住宅などでの生活に移行できるよう支援する。災害公営住宅等については、建設を行う市町村に対し必要な支援を行う。

・被災者の安心できる日常生活を支え、生活再建と自立を支援するため、2016年10月をめどに、市町村が「地域支え合いセンター(仮称)」を設置できるよう、体制整備や人材確保等を支援する。

・市町村などの関係機関と連携して被災者に寄り添った心のケアを行うため、「熊本こころのセンター(仮称)を2016年10月をめどに設置できるよう、関係者との協議を進める。

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2、医療・福祉提供体制の立て直し

・必要な介護職員ど福祉人材の派遣により運営を確保するともに、中長期的な人材確保を推進する。
・被災した社会福祉施設等の復旧、機能や経営面が回復するよう支援を行 う。あわせて、耐震化や防災対策を進めるなど、社会福祉施設の対災性の向上を推進する。
・被災した医療施設が復旧するよう支援を行う。あわせて、耐震化や防災対策を進めるなど、医療施設の対災性の向上を推進する。

・被災時でも適切な医療・介護サービスの提供を可能とするため、 県医師会を中心に、 熊本大学及び県の3者がしっかりと連携し、「くまもとメデ ィカルネットワーク」の構築を進める。

・熊本地震時の対応検証等を踏まえ、 新たな災害発生へに向け災害 ・救急医療提供体制を充実・強化する。

・熊本地震時の対応の検証等を踏まえ、新たな災害発生への対応に向け、福祉避難所、災害派遣福祉チーム(DCAT)等の福祉提供体制を充実・強化する。

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3、災害廃棄物の早期処理と体制強化

・地震により発生した災害廃棄物を、発災後後2年以内(平成30年4月まで) に処理を終了する。

・熊本地震での課題等を整理し、今後の災害に備えて災害廃棄物処理体制のさらなる強化を図る。

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4、児童生徒の心と学力のケア及び防災教育

・地震による心のケアが必要な児童生徒等を減少させる。

・児童生徒の学力を平成 27 年度より向上させる。

・熊本型の防災復興教育を推進する。

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5、学校、体育館等の復旧と機能強化

・被災した学校施設や体育館等について、早期に復旧する。

・改築が必要なものなどについては、2018年度(平成30 年度)までに復旧を完了する。

・学校施設や体育館等について、防災拠点避難所としての機能の強化を 目指す。

・非構造部材も含めた私立学校施設の耐震化など、防災・減災機能整備の整備を支援する。

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6、南阿蘇村立野地区のコミュニティ再生

・崩落した斜面の復旧状況や山腹の安全性を把握するともに、水道施設や道路、橋梁などのインフラ復旧状況を確認する。

・「立野地区寄り添い支援プロジェクトチーム」を主体に、住民の意向に沿いながら、立野地区での生活再開実現を図る。

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7、東海大学農学部の阿蘇キャンパスの再開支援

・東海大学における有識者会議の議論を注視し、そこで決定された阿蘇キ ャンパス再開に係る方向性に沿って実施され取組みについて、支援を行う。

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8、被災宅地の復旧支援

・2019年度(平成 31 年度)の完了を 目標に、 住宅再建の 大きな障害とっている宅地の復旧を支援する。

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9、住宅の耐震化対策

・住宅耐震化に係る補助制度ついて、未整備市町村への支援を行い、 2018年度(平成30 年度)からの県内全市町村での活用を目指す。

・ホームページ等で耐震改修の必要性を継続して周知するともに、技術者育成に関する講習会を開催 し、将来の地震に備えた住宅耐震化を後押しする。

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10、熊本と阿蘇をつなぐ道路の復旧(国道57号・阿蘇大橋・俵山ルート)

・国道 57 号をはじめ、寸断された阿蘇への主要ルートの代替道路となるミルクロードなどの安全対策(渋滞対策や冬期対策等)を行うともに、暫定開通により寸断の影響軽減を図る。 暫定開通により寸断の影響軽減を図る。

・阿蘇地域の復興につなげるため、主要ルートの早期の本格復旧を促進する。

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11、道路ネットワークの早期復旧と強靭化

・発災後3年以内をめどに 被した道路や橋梁の完全復旧を行うとともに、災害時の緊急輸送道路等の拡幅など道路機能の向上を図る。

・災害時の幹線道路リダンダンシーを確保するため、九州横軸縦軸と なる幹線道路ネットワークの整備を促進する。

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12、阿蘇山上施設の再開に向けた基盤整備

・被災した阿蘇山上給水施設について、2017年度(平成 29 年度)末の復旧を目指す。あわせて駐車場やトイレなどの自然公園施設についても、2017年度末までに順次復旧を図る。

・被災した阿蘇登山道路4 ルートについて、観光道路としの機能を早急に回復できるよう、復旧工事に着手する。特に阿蘇吉田線(東登山道) に回復できるよう、旧工事着手す。特阿蘇吉田線(東登山道) に回復できるよう、旧工事着手す。特阿蘇吉田線(東登山道) については、本年中の通行止め解消を図る。

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13、南阿蘇鉄道の復旧

・国が実施する調査により、2016年度(平成 28 年度)中に甚大な被害を受けたか所の復旧工法・工期等を決定のうえ、県も支援し復旧工事を実施する。

・また、2016年度中の高森駅~中松駅間の運行再開をはじめ、被害が少なかったか所について、順次運行再開を図る。
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14、JR豊肥本線の復旧

・国が実施する阿蘇大橋地区の復旧事業 や県の斜面崩落防止のための事業と調整・連携のうえ、JR九州による早期復旧を図る。

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15、熊本都市圏東部地域の振興

・阿蘇くまもと空港をはじめした熊本都市圏東部地域の創造的復興推進するグランドデザインとして、「大空港構想NextStage」を年内をめど に策定し、東部地域の創造的復興を着実に推進する。

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16、熊本城をはじめとした歴史・文化の再生・継承

・熊本城の復旧については、国や熊本市との連携のもと、復旧方針に沿った事業推進を支援する。

・阿蘇神社の復旧については、 楼門の復旧が2022年度(平成34 年度)までに完了するよ う事業推進を支援する。

・その他の国指定以外の文化財に ついては、国や民間からの支援をもとに復旧を推進する。
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17、産業再生とイノベーティブな復興

・震災により傷んだ企業の施設・設備を、2017年度(平成29年度)末をめどに復旧させ るとともに、震災で落ち込んだ売上を回復させる。

・誘致企業を県外の代替生産から回帰させ、熊本の製造業をけん引するサ プライチェーンを復活するとともに、災害に強い新たな産業集積を構築する。

・これらにより県内製造品出荷額を震災前の水準以上に押し上げる。

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18、地域経済を支える商業・サービス業等の復興

・震災により傷んだ商店街等の機能を、2017年度(平成29年度末)をめどに復旧させるとともに、消費喚起策の実施等により、地域内消費を回復させる。

・販路開拓やブランド力強化により、大都市圏などでの県産品の販路を拡大する。

・金融支援や経営サポート強化により、震災の影響による倒産や廃業を最小限に食い止め、再生を図る。

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19、観光産業の早期回復と新たな観光戦略の展開

・地震による風評被害を払拭し、観光需要の早期回復を図る。

・震災により傷んだ観光産業の施設・設備を、2017年度(平成29年度)末をめどに復旧 させるとともに、熊本の観光を牽引す新たな資源を発掘し磨き上げる。

・3年後の国際スポーツ大会開催に向けて、インバウンド対策を強化する。

・熊本城や阿蘇の復興過程を新たな観光資源として活用する。

・これらにより、延べ宿泊者数を震災前の水準 以上に回復させる。

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20、復興を担う人材の確保・育成と若者の県内就職促進*

・復興を着実に進めるために必要な人材を確保・育成する。

・魅力ある企業の増又は掘り起こしにより、若者の県内就職を促進し、人材の県外流出を抑制する。

hukkoutuioka1-20.jpg21、農地・農業用施設の早期復旧及び大区画化や農地集積と併せた基盤整備

・2018年度(平成 30 年度)までに農地及び農業用施設の復旧を完了する。

・単なる原形復旧ではなく、大区画化とあわせた農地集積を行い、未来につ ながる基盤整備を実施する。

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22、大豆への作目転換を機とした営農体制の強化

・大豆等の作付転換を円滑に進め、被災農業者が震で困難となった農地での営農継続または再開できるよう支援する。

・被災圃場の整備とあわせた農場の大規模化や作物転換による収益性の高い土地利用型農業の確立を図るとともに、広域農場などの連携によるコスト削減の取組みやその経営理念などを県下全域に波及する。

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23、被災畜産農家の復旧と地域ぐるみの復興による生産基盤の強化

・被災した畜産農家が経営再開のために行う施設整備や家畜の再導入等を支援し、2017年度(平成29年度)末までの復旧完了を目指す。

・乳業工場や家畜市場、牧野等の施設の復旧を2017年度までに完了するとともに、地域ぐるみの家畜・畜産物の安定的かつ効率的な生流・流通体制を構築する。

・畜産クラスターの仕組みを活用した地域ぐるみの復興を支援し、生産基盤のさらなる強化を図る。

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24、カントリーエレベーターや選果場などの共同利用施設の復旧・再編と災害時補完体制の構築*

・2016年度中にカントリーエレベーター等の共同利用施設の復旧を完了する

・将来的な土地利用型農業を見据えた効率的な集出荷体制を確立するため、2017年度までに広域的な施設の再編・統合を図る。

hukkoutuika2-24.jpg25、農業生産を支える労働力確保対策と産地づくりの推進*

・労働力確保が困難な被災地の農家や農業関連施設等での活動を支援するため、被災地の不足する労働力を補完する仕組みと体制を2016年度中に整備する。

・労働力補完システムを活用して生産力を強化し、競争力のある産地づくりを進める。

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26、木材住宅のイメージ回復と新たな工法を活用した復旧・復興

・仮設住宅建設における木材利用を進める。

・木造建築物の強度など正しい情報を発信し、木造に対する誤ったイメージの払拭を図り、木造建築物の耐震性に関する信頼度を回復する。

・木材の特性を生かした新技術の普及など、新たな復旧方法の実用化に向けた環境整備を図る。

・木材需要の増加に対応する木材生産力を強化する。

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27、港湾施設(八代港等)の整備

・災害時の支援拠点となる八代港・熊本港において、耐震強化岸壁の整備促進を図る。

・八代港への年間70隻以上のクルーズ船及び世界最大級 22 万トン級クルー ズ船の寄港実現に向けた受入環境整備を2018年度(平成30年度)初旬までに完成さ せる。

・八代港のさらなる物流・人流機能向上に向け、ガントリークレーンの増設などの取組みを推進する。 h26_R.jpg

28、国際スポーツ大会等を通した復興する熊本の世界への発信*

・震災復興の目標地点として、平成31 年(2019)女子ハンドボール世界選手権大会とラグビーワールドカップの開催準備を着実に進め、大会を成功させる。

・国際スポーツ大会の開催の効果(レガシー)を次の世代へ継承する。

・熊本への応援気運の高まりやくまモン人気を最大限に活用した復興支援プロジェクトに加え、熊本城・阿蘇の復旧・再生を通じて、復興する熊本の姿や感謝の心を世界に発信する。

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