蛍丸を復元せよ!

復興への思い込め阿蘇神社で奉納焼き入れ   2016年8月27日

2016年8月29日に放送した蛍丸復元プロジェクト・奉納焼き入れのハイライト動画(無断転載禁止)

幻の宝刀「蛍丸」の奉納焼き入れ儀式が8月27日、楼門が倒壊するなど熊本地震で大きな被害を受けた阿蘇神社で行われ、刃渡り1メートルを超える刀身が初めて姿を現しました。

焼き入れとは、細長く打ち延ばした鉄を熱し、急激に冷やすことで刀へと変える重要な工程で、「刀に魂が吹き込まれる瞬間」といわれています。神事を受けたのは、終戦直後から行方が分からなくなっている蛍丸の復元にあたっている刀匠の福留房幸さんと弟弟子の興梠(こうろき)房興さんです。

焼き入れの儀式は地震で倒れた拝殿の隣で行われました。およそ100人が見守る中、蛍丸は徐々に真っ赤に光っていきます。「蛍の光によって闘いで刃こぼれした太刀が元通りになった」という伝説のように、炉から上がる火の粉は蛍の光のように空に舞い上がっていました。鉄を800度まで熱するため、炉に贈られる空気は勢いを増し、そしてついに水に入れられた刀身は「ジュッ」と大きな音をたてました。

福留さんは「このプロジェクトが始まったときは楼門も高くそびえていましたが、震災で崩れてしまいました。失われてしまっても技術が途絶えない限りはその形は取り戻すことができるということが活動(プロジェクト)の趣旨」と言います。蛍丸の復元を阿蘇神社の再建と重ね、復興への祈りを込めているのです。

興梠さんが住む大分県竹田市も4月の地震で震度5強を観測。幸い、作業を行う鍛錬場の被害は少なく、復元作業は急ピッチで進められています。福留さんは蛍丸について「以前の蛍丸のように何百年先までもずっと安泰で、ずっとそこにある町の風景の背景としてある存在になれば」と話しています。

いったん蛍丸は再び刀に仕上げる作業を経て、2017年の春、阿蘇神社の仮拝殿に奉納される予定です。

160827hotaruC.jpg

エントリー