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熊本は元気です!伝える県外公演を再開 山都町の清和文楽   2016年7月10日

160712bunraku_R.jpg熊本地震の影響で来場者が激減している山都町の人形浄瑠璃「清和文楽」がいつもの劇場、清和文楽館を飛び出し、10日、地震後初めての県外講演を佐賀県のショッピングセンターで行いました。

清和文楽は江戸時代から山都町で受け継がれてきました。今年の4月には十数年ぶりに若い担い手が初公演を披露しましたが、その直後に熊本地震が起きました。劇場に大きな被害はなく、地震後も通常営業していて毎週日曜日には公演も行っています。しかしお客さんがほとんど訪れない状態が続いています。

清和文楽館の佐藤義和さんは「文楽館は大丈夫といろんなところにPRしても、熊本は怖いといわれた。ならうちがいろんなところに行って公演しようということになった」と話します。来場者が減って苦しんでいることを知った佐賀県のフレスポ鳥栖が出前公演を依頼してくれたのです。支援を呼びかけたのは山都町出身の藤原育子さん。「長年引き継いできたものが(地震で)なくなるのではないかと心配になって、何とか力になれないかと思った」と話します。

演目は「日高川入相桜王(いだかがわいりあいざくら)」。見せ場は主人公の清姫が恨みと嫉妬に燃える場面です。出前公演は会場の制約などから使う人形の数も少なく、物語のさわりを披露する「ミニ公演」ですが、ふだんの専用の劇場での公演と違って、この日の会場は大型店のイベントスペース。長机に布をかけて足跡の舞台を作ります。

三味線と大夫は修業を終えたばかりの若い2人。新人太夫の渡辺奈津子さん(27)は「(会場が)広いのでマイクもついて声の調整が難しいけど、がんばります」と入念に準備。集まった多くの買い物客の前で「恋の呵責に砕かれて...」と熱の入った語りを披露しました。

公演を見た人は「地震の時は大変だったでしょうが、いいものに触れさせてもらって幸せでした」「人形が人間みたいにいきいきしていて、復興のエネルギーが人形にうつっているように感じました」と感想を話していました。

渡辺さんは「熊本の人は元気にやっていますよとお客様に伝えられたのでよかったと思います。(今回観てくれた人が)文楽館に来てもらえるまで、また練習したい」と話していました。県外公演は福岡県や長野県でも予定されています。

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