くまもと温故知新

立ち木の中から西南戦争の銃弾     2016年1月17日  

160117JUUDAN.jpg1877年(明治10年)の西南戦争で政府軍と薩摩軍が最大の激戦を繰り広げた田原坂近くの神社の立ち木の中から、140年前の銃の弾や砲弾の破片が初めて見つかり、現地で説明会が行われました。

銃弾などが見つかったのは、熊本市北区植木町の田原熊野座神社(写真下)の境内に立っていたスギの木です。

去年の台風15号で倒れた木を熊本市が金属探知機などで調べたところ、地上から4メートル前後の幹の中からスナイドル銃の銃弾や、「四斤山砲」と呼ばれた大砲の弾の破片が複数見つかりました。

熊本市文化振興課によると、立ち木の中から銃弾が見つかるのは国内では初めてということです。立ち木の樹齢は200年以上で、田原坂の戦い当時は若木だったとみられます。銃弾は戦いの際に木にめり込んだ後、樹木の成長で高所に運ばれたとみられますが、成長分を差し引いても位置が高く、戦いではかなり高いところを銃弾が飛び交っていたことがわかります。銃弾の発射された方向は北、西、南西などさまざまで、立ち木の中の銃弾をどちらが撃ったかは不明ですが、「政府軍と薩摩軍の銃弾が空中で衝突した」と伝わる激しい銃撃戦の様子がうかがえます。

160117juudannkumanoza_R.jpg近代遺跡に詳しく、熊本市西南戦争遺跡群調査検討委員会の委員を務めた鈴木淳・東大文学部教授(日本近代史)は、「戦争遺跡から銃弾が見つかるのは珍しくないが、立ち木の中からこれだけいい状態のものが見つかるのは初めてではないか。神社やその周辺は史跡等に指定されておらず、早急な手当てが必要だろう」と話しています。

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